第10話 初めての任務2

やっぱり弱いなぁ今のところ強くて異形型の中の下ぐらいのやつしかいない。

ゴブリンエンペラーとやらは何処にいるのかね?正直暇で仕方ないだがあんまりやりすぎると他の人の仕事を奪いかねない…

ウ~ンどうしたもんか今のうちに能力の検証でもしとこうかな?


「肉体変質 タイプ『騎士の異形』」


僕の体が変化していき全体が黒く染まり体には鎧を身につけ右手が包丁がでかくなったような形の刃となり下半身が馬になる。


「さぁ検証開始だ。」


僕は馬の脚でゴブリン共に向かって駆け出した。


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Sideアベル

俺は今ゴブリン共を見つけては殺し見つけては殺しを繰り返している。


「チッ雑魚しかいない これでは強くなれん ゴブリンエンペラーはまだか?」


殺すたびに湧いてくるゴブリン共に嫌気が差してきた。広範囲の魔法も使えるが規模がでかい上に使ったらこの辺が更地になる。

ボスからは物をなるべく壊すなと言われている

それは守らねばならない。

守らない場合除隊されてしまうかもしれないからだ。

クロスオーバーには様々な強者がいる。

そいつらと戦うことでより高みへ行けることだろう。

だから今除隊されては困るのだ。

だから約束は守らないといけない。


「どうしたものか…今まで体しか鍛えていなかったからな…魔法も鍛えるべきか…」


そんな事をを言っていると魔力の大きな反応を感知した。


「おぉ!やっとお出ましか!待ちくたびれぞ!!」


切れた裂け目からその巨体が露わになる。

おおよそ25メートルはあるだろう姿に巨大な剣を持った大きなゴブリンが現れた。

ひしひしと肌で空気…感じるコイツは強い!

入隊初日にコイツとは…幸先がいいな!

さぁ…戦ろう!!



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Side鷲羽景吾

「さて…行ったか…あの子達は無事帰って来るだろうか…」

私が言った直後に千年君が歩いてきた。


「行かせてよかったんですか?」


「千年君か…今回の任務はゴブリンエンペラーの討伐だ。彼らなら勝てるだろう…だが…それはしっかりと連携した場うえでの場合だ それを彼らは理解できるだろうか…」


「まぁ、協調性皆無ってわけではないですが…堂々と馴れ合うつもりはないと言っていましたしね…」


「まぁあな…まぁ危なくなったら彼が全て片付けるのだろうが…」


「やはり…そんなに強いんですね彼…正直彼の評価を測りかねます…獅子堂が本気を出しているにもかかわらず戦っているときでも余裕で相手していましたし…彼の瞳を見ていると何か不安や恐怖に襲われます…言い方は悪いですが彼は本当に人間なんですか?」


「千年君の気持ちもわかる…だが彼は紛れまなく人間だ…彼から話を聞くとなんと異世界ではなく異界という場所に行っていたらしい…そこで彼は人が一人もいない異形が闊歩する町で一人で何十年も過ごしていたらしい…私の異能で確認したが嘘はなかった…全く…嘘であってほしかったがね…彼が異界に行ったのは中学3年生…まだ子供だ…いくら精神耐性があったとは言え辛いですますレベルを超えている しかも食料は血と人肉、異形の肉しかなかったそうだ…」


「ッそん…なことが?…なんで彼はそんな目に合ってまで生きようと?」


「家族に会いたかったそうだ…ただ…それだけらしい」


「そうだったんですね…あの目は、そう言うことだったんですね…ですがよく生き残れましたね」


「彼の異能のおかげらしい 彼の異能は『異食』異世界産の物を食べると力を得るらしい…」


「異世界産…人肉や血…ですか…」


「そうだ…彼は食べた人肉などから生前持っていただろう異能を得た そしてどんどん強くなり彼は獅子堂を圧倒する力を得た ほんとにひどい話だ…

だがそれも来栖君のおかげで救われたようだ」


「凪ってことは死霊魔法を使ったんですね…」


「そうだ 死霊魔法を使い家族と対話したそうだ 彼は嬉しそうに話してくれたよ そして彼はこう言った 「僕はまだ生きる意味がよくわからないだけどここで生きる意味を見つける」とね」


「だから我々で導いていこう もちろん他の隊員も」


「はいもちろんです!なんてったって先輩ですから!」

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Sideアベル

ハァ…ハァ…一体何万回殴った?

あいつの傷はすぐに再生され方や俺は満身創痍

完全に獣化しても駄目だった。

急所を潰そうと思ったが中々隙を見せずどうしても他の部位を壊すだけになってしまう。

しかも中々相手の皮膚は硬いためそう簡単には壊れない。しかも壊れてもすぐに完全に再生するおまけつきだ。

クソッタレ!おれにもう手札は残っていない。

持って数十分だろう…そんな時だった。

音もなく着地したのは時雨結とかいったやつだった。


「辛そうだな 手を貸すぞ」


さらに奥からアリスとかいうやつも来た。


「はいはーい!私も混ぜてよ!」


さらには左からは新藤と誰だ?あれは?おそらく新井らしき人物もこっちへやってきた。


「ゴブリンエンペラーにここまで粘られるのかよ…やっぱり俺弱いのかな…」


「そんなことはないですよ?あなただって認められて入隊したわけですから…あとこいつはゴブリンエンペラーの変異種みたいですね」


どうやら時間をかけすぎたらしい…

クソッ俺は強くならなければならいのに!!

俺は疲労した体で絞るように声を出す


「心配…無用だ…俺ならァ勝てる!」


「いやいやどうみてもピンチでしょ!俺が回復魔法使うので一旦引いて休憩してください!」


「そうだよ〜負けられたらこっちが困るのだから勝手に参戦するね?」


「馴れ合うつもりはないかもしれないが…任務は任務しっかりと遂行しなければならない…」


「そうだよ少なくとも任務だけでいいからやろうよ」


俺は渋々分かったとだけ言って後方に下がるそうすると新藤が回復魔法を使って俺を回復するみるみるうちに回復していく体を見て驚愕した。

回復魔法これはレベルが最低でも8はないとできないぞ!?こいつは意外とすごい奴なのかもしれん。

時雨とアリスはゴブリンエンペラーに絶え間なく攻撃を繰り返していた。

ゴブリンエンペラーは再生が追いつかなくなってきたようで生傷が増えていた。

ここでダメ押しとばかりに新井?が呪文を詠唱した。


「『肉体を超越した者たちよ 今はただの人となれ 『不死殺し』』」


その呪文が唱え終わった瞬間ゴブリンエンペラーの再生が一気に止まった。

ゴブリンエンペラーは再生できない傷を見て混乱し

ていると


「首も〜らい!」


とアリスが軽い調子でゴブリンエンペラーの首を切り落とした。

こうして新人クロスオーバーの初任務は終わりを迎えるのだった。







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