異世界からの帰還者

渾沌

第1話 異世界へ行こう!


いつものように赤い月が男を不気味に照らす

「ふぅ~これでやっと帰れるなこの地獄から…」

そう言葉をつぶやいた男は白髪の髪の毛に死んでいるかのような暗い目をしていた。だがその時だけはその目が輝いていた。

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あれは何年前だっただろう?あぁ…そうそう中学3年の時だった。

その日僕は最後の修学旅行で憧れの異世界アナザーへ行けることに歓喜していた。

今思えばこの時に病気や仮病でも使って休んでいればこんな目に遭わなたかったのかもしれない…

まぁそんな考えは意味はないのだが…


そうして僕は学校に行きバスで異世界へつながる召喚陣の前まで来た。

その時はほんとにワクワクしてたなぁ僕があの異世界に行けるなんてってね…

そうして僕達はボディチェックを受け先生の指示に従って召喚陣の中に入った。

入って少しして光が僕たちを包み込むそれは幻想的でいかにも異世界って感じがした。

だがこの時僕はこれが地獄の入り口だったことをしらなかった…

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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜光が収まると次第に周りの景色が見えてくる

僕はワクワクを抑えきれない様子で周りを見渡す。


「これで、僕も異世界へ来たんだ! ヨッシャー!!っと興奮しすぎたね…あれ?でもやけに静かだなぁそれになんか…暗い?」


周りを見て見ると先ほどいた生徒たちや先生がおらず僕一人だけがここにいるのだと分かった。


「え…僕一人だけ?どゆこと?みんなは?おかしいなぁ?確か異世界についたときにみんないるか点呼とるって話だったんだけどなぁ…」


僕は再び周りを見て見る。

周りは日本でよくある家が立ち並び街灯が電気が切れかけたのか不気味に点滅している。

また空は真っ暗で赤い月があるだけだった。


「もしかしてこれって時々あるって言う転移事故ってやつ?え…ヤバくない??俺がそうなったこと??周りの家や街灯もなんか古いし…なんか不気味だなぁ…」


僕は不安に駆られながらもとりあえず他の人を探してみることにした。


「おーい!誰かいませんか〜!いたら返事してくださーい!」


シーン…

返事はない誰もいないようだ。


「ま、まだ辺りを散策してないし…まだいないと決まったわけじゃないし…と、とりあえず散策だ!」


僕はそうして散策を開始しようとしたとき奥の街灯のところにうっすらだが人影があるのが見えた。


「お!人だ!おーい!すいません!」


そういいながら僕はその人へと近づいていく。

そうして近づいていくと何か違和感を覚える…

何だろう?この違和感…僕が疑問に思いながら歩いていると相手の方も近づいてきたのか段々そのシルエットが見えてきた。

僕はそれを見た瞬間全力でもと来た道に向かって逃げた。

ソイツは片足がなく手も片方ないそして人間にとって大事な部分首から上がなかったのだ。


「うわぁぁぁぁぁぁ!!」


僕はとにかくそいつから離れるように走った。

幸いソイツはとても遅く追いつかれる心配はなかった。

だが走ることをやめず適当にあった民家の扉を勢いよく開け入った。


(何だあれ!?何だあれ!?死体が動いた!?アンデット?!でもなんか明らかに不気味だった!どう考えでも普通のアンデットじゃない!)


入った瞬間僕は勢いよく扉の鍵を閉め荒い呼吸を落ち着かせる。


「ハァ…フゥ…なんだったんだ…本当に…ここはどこなんだ…ウゥ…帰りたい…」




そうして僕の地獄の生活が幕を開ける。







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