この作品の魅力は一つには絞りきれず、様々なところにあります。
登場人物の性格、彼らの関係性、そして壮大な世界観、どれをとっても一級品です。
インドファンタジーと聞いて、馴染みがないなぁと思う方も居るでしょう。もちろん専門用語は出てきます。ですが、漢字や描写でなんとなく想像がつきますし、注釈も書いてくださっているので、混乱することはありません。
実際に、インド文化には馴染みがない私でも楽しんで読めました!
個人的には、主人公・ジャニのちょっと気弱そうに見えて、実際は誰よりも芯が強く、かっこいい女性であるところが大好きです。守られるだけの弱い女性じゃないところが魅力だと思います!
また、その伴侶・ダルシャンの、少しぶっきらぼうに見えつつも、一度決めたら最後まで信じ抜き、守り抜くところも素敵です✨
これからも彼らのストーリーを応援したいなぁと強く思っております。
みなさまもぜひ、私と一緒に彼らを応援しませんか?
動揺すると炎を出してしまう主人公の少女が、傲岸不遜な第三王子に見初められ婚約者に──と言うと、スパダリ系の女性向け小説のように思われるが、実際の雰囲気はまったく異なる
作者が十二国記や指輪物語が好きなためか、その筆致は骨太でしっかりしており、良い意味で「古本屋で立ち読みしている気分」になる
それでいて読みやすい文章を生み出す作者の技量に疑う余地はなく、レビュー当時はまだ序盤だが、物語自体のクオリティにも信頼が置ける作品だ
重厚で他とは違うファンタジーをお求めの方は、一読してみるといいだろう
※アカウント利用停止措置を受けたため、本レビューは再投稿となります
第一部『女神選定』(第24話まで)を読了してのレビューです。
流れるような筆致で読みやすく、ここまで一気に読み終えました。
権力争いや陰謀渦巻く王宮も、王子ダルシャンとその近しい理解者たちの存在によって、過度なストレスなく過ごせ(読め)ます。
拠り所のない不安を抱えながらも自分にできることに邁進するジャニ
ジャニは自分が見初め選んだ妃なのだと度々主張するダルシャン
どちらも微笑ましく、等身大な存在にも感じました。
古代インド風とあるように、情景描写は勿論のこと、衣装や装飾品、飲食物や医術、行事に至るまで様々なシーンにオリエンタルな雰囲気が漂います。
母や先王、二人の兄についても徐々に明らかとなり、王国の歴史に隠された謎を紐解きながら、疾走感をもって展開される王道ハイファンタジーです。
ジャニは居場所を、ダルシャンは活路を、互いが互いを必要とする理由を見出しながら、まだまだ絆が深まってゆきそうな二人を今後も見守りたいと思います。
古代インド風の異世界ファンタジーと言った、独自性の強い本作。
歴史や文化、宗教まで練り込まれて作られた本作の世界観は、まさに圧巻。壮大なインド風の世界に誘われました。
キャラクターも個性豊かで、陰謀などもありそうなので、飽きずに読めました。
また、女主人公が上手く能力を使えず、孤独と不安を抱えながら成長する姿は、一緒に応援したくなります。
特にトラブルが起きて、勇気を出し、トラウマを跳ね除けて能力と医術を使い、人を助けようとする姿は、手に汗を握る緊張感と共に感動しました。
当然王子との絆が深まっていくシーンも見ものです。
非常に丁重に作られた世界と、主人公の努力する姿が好きな人におススメです!
ひっそりと森で暮らしていたジャニ。だが、突如現れた王子ダルシャンに「妃となり〈炎神アグニの験しるし〉として自分を王にする役割を果たせ」と迫られる。半ば強引に連れ出され、壮麗な王都で新たな生活を始めるものの…… 戸惑いは隠せない。
ジャニが持つ炎の力は、彼女にとって祝福でありかつまた呪いでもある。その力をどう扱うべきか。そしてそれは彼女をどこに導くのか。
壮大な世界観と内面の葛藤が巧みに絡み合った情感豊かな物語です。たまたまワシは印哲をむかし少しかじったので楽しく読めましたが、「え?インドが舞台??」と尻込みするユーザーも少なくないかもしれません。
〝〝〝しかし!!〟〟〟……大丈夫です。
ほかのレビュワーさんも書いてくれていますが、この作者さま、とってもそこは平易に、ロマンチックかつ、ドラマチックかつ丁寧に描いてくれていますので、難しい基礎知識はいりません。染み込むように美しいファンタジードラマが入ってきます。
読み専のかた向けには、エキゾチックファンタジー初心者の方にも、インド映画が好きな人にも、恋愛小説が好きな人にも、このお話、お勧めしたいです。
そして異世界をすでに描いている人や書きたい書き手さんには、ナーロッパ世界の地球儀の反対側にきっとある他文化の世界観を頭に入れておくのにすっごくいいと思うので読んでおくといいよ!と声を大にして言いたい。あなたの物語にさらなる奥行きが出てくると思うよ!