世界は残酷で
第5話
だから嫌だった。
周りを見ることなんて。
人と関わることなんて。
愛というものを見るのが。
だって彼女は人を殺してしまうのだから。
私の家系は生まれつき能力がある。
能力はみんな様々。
だが波瑠はそれ以上に壮大の力を持っていた。
めがあってしまうと読心。
見えてしまう予知能力、そしてその人の過去も。
人を生き返す蘇生の能力。そして人の記憶を操作する能力。
ただ膨大な能力を使うには沢山の人を殺してその力を吸うか、あるいは自らの命を犠牲にして私たちの能力を全て与えて蘇生するかのどちらかだった。
「そんな能力いるわけないじゃん。私は今みたいに幸せな生活が送りたいんだってば!」
「何意味分かんないこと言ってるの、はる。いいえ、ヘル」
その名を呼ばれてギクッと反応してしまった。
「ヘルは人類を救う女神なの、特別な血が宿るのよ」
その言葉にヘルは頷いた。
「もちろんです。私は人を蘇生できる能力があるんですもの。」
人格がヘルだからだ。
「ええ、そうよね。ならその力で人を沢山救いなさい。」
「…………」
「ヘル?」
「………ええ」
「ヘルいい子ね。」
「………いの。」
私の頭を撫でようとしてきたてをふりはらった。
「え?」
「頷くとでも思ってる?さっきから意味分かんないこと言ってるのはそっちでしょ!」
「戻った?!」
「もういいから。」
「やめときなよ、あんまりいじるのも。」
「私は選ぶんじゃなくて選ばれたいの!私は家族じゃないの?物?私はあなたたちのおも」ちゃ?」
例え相手に嫌われてたって私は家族という存在が大切だった。
だからもう家族と離れていくのは嫌なんだって。
二度とあの想いはしたくないから。
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