時が過ぎるのは待ったナシ!

年末になると今まであった免罪符が効力切れになる


仕事は休みに入り、弁当作りもお休みだ

家にいる限りいつでも掃除を始められるという、私には不都合この上ない状況だ

正直、日常の忙しさの方がマシである

なので免罪符が効力切れになる年末はソワソワ落ち着かない

免罪符を盾にして見て見ぬフリをしていた私のズボラの欠片たちが、家中のあちこちに散りばめられている

すっかり物置小屋と化した2階の部屋

料理中のにおいや煙を頑張って外に出してくれている油まみれの換気扇

最後いつ拭いたっけ?の窓ガラス・・

え、どこからやれば終わるん?

大晦日までに片付く?


夏休みが終わる直前の、全く宿題が終わっていない小学生の気持ちを思い浮かべて頂ければ今の私の気持ちを理解してもらえるのではないだろうか


とは言え、ここで急にやる気マンマンとはならないのが私のダメな所だ

とりあえずお休み初日は動かない

これから忙しくなるんだから初日くらいゆっくりしてもいいよね・・・?

てな具合でひとまずダラダラする

明日から頑張るから〜と毎回ダイエットに失敗する人と同じ轍をふむ


そして2日目からようやく掃除らしき事を始める

ただし、その間に食事の準備やら片付けやらしていると実際に掃除をする時間なんて本当に微々たるものだ

そして年始の為に忙しない雰囲気で溢れるスーパーに買い出しに行ったりしている内に、何故かあっという間に大晦日がやってくる

気がつくとほぼ何も片付いていない家で年を越す、と言うのが我が家の毎年の流れだ


そして毎年自分のダメさ加減に打ちのめされる

ナゼこうなるとわかっているのに少しずつでも片付けておかないのか

年末に一気にやろうと思ってもできないのだ

稀にやる気が起きる年もあるのだが、年末に一気にやっても物理的にできる量は限られている

もう焼け石に水、なのである


年末は忙しくて憂鬱になるのではない

1年間の溜まりに溜まった自分のダメな部分を直視しないといけないのが嫌なのだ


いつも来年こそは頑張ろう!と思っていたが今年は諦めた

来年こそは!と誓ってもう何年経過した事か


これはもう私には無理ゲーだ


こうなれば大きな方向転換だ

来年はもっと稼ぐ方法を考えようと思う

そして家を快適な空間にするのはお金を払って片付けのプロにお願いしよう!と新年の目標が生まれた今年の年末であった

                    《完》

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また来た年末 うさ田ケリー @shan-naka

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