第30話 広がる一皿、炭火が紡ぐ物語

九州の山間部に佇む「炭火庵」。囲炉裏の炭火が赤々と燃える音と、炭火でじっくり焼き上げられる料理の香りが店内を包んでいる。吾郎が作り上げた新メニュー「炭火焼き地鶏と山の幸の盛り合わせ」は、地元だけでなく遠方から訪れる人々にも大評判となり、炭火庵はこれまで以上の賑わいを見せていた。


ある家族連れが、新メニューを前に嬉しそうに写真を撮り、SNSに投稿している。その様子を見ていた茜が微笑みながら呟く。「炭火庵が、たくさんの人を笑顔にしているんですね。」


塩見も囲炉裏の火を見つめながら言った。「そうだ。この炭火が、素材を焼き上げるだけでなく、人々の心を繋ぐ役割を果たしている。それが料理の持つ本当の力だ。」


吾郎がその言葉に深く頷き、「炭火庵がここまで来られたのは、皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。」と感慨深げに答えた。


その日の営業が終わり、炭火庵は静けさを取り戻していた。吾郎は囲炉裏の前に座り、静かに火を見つめていた。塩見と茜も彼の隣に座り、同じように炭火の温もりを感じている。


「炭火がここまで僕たちを導いてくれました。でも、これで終わりじゃないですよね。」吾郎が静かに語る。


塩見が微笑みながら答えた。「もちろんだ。料理は終わりのない旅だ。次の一皿が、また新たな出会いと感動を生む。それを追い続けるのが料理人だ。」


茜が笑顔で続けた。「炭火庵の次のお話、私も楽しみにしています!」


吾郎は囲炉裏の火をそっとかき集めながら、力強く言った。「この炭火を信じて、これからも料理を作り続けます。次は、さらに広がる炭火庵の未来を見せたいと思います。」


次回予告:究極と至高の対決、始動


塩見は京都の由緒ある料亭で、予期せぬ人物と再会する。それは長年確執のあった父だった。彼との間に横たわる未解決の過去が、料理という舞台で再び向き合うきっかけとなる。さらに、YouTubeのグルメ企画で、「漫画美味しんぼ」にちなんだ「究極」と「至高」のグルメ対決が開催されることが決定。その場で親子対決が勃発することに――。素材の選定、料理の哲学、そして親子の絆が複雑に絡み合う中、果たして塩見はどのように立ち向かうのか。究極と至高の激突が、京都を舞台に繰り広げられる。


読者へのメッセージ


次回は、塩見の過去が明らかになり、料理を通じて父との関係に挑む親子の物語が描かれます。料理は、ただ美味しいだけではなく、人と人を繋ぎ、過去を解きほぐす力を持っています。塩見の挑戦を通じて、「究極」と「至高」という言葉が持つ本当の意味、そして親子の絆が料理にどう宿るのかをご期待ください。


究極と至高の対決に挑む塩見の物語、ぜひお楽しみに!

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