区切られている

肥後妙子

第1話 実感は何処から生まれる

 そういえば 子供の頃 不思議に 思った事が

あるのではないか 昨日がいつの間にか 遠くなっていた時 今日がいつの間にか 無くなった時

明日がいつの間にか 今日として 周囲にあった時


 今 不思議なのは 数字が 流れて行く時 

28は 近く感じて 26は 穏やかで 30は 目が覚める 浮かぶ 数字 つかめない そこにあるのに 


 溶ける 飴 数字も このように 溶けるのか 溶け残った 数字 いつか 見つかるのか 数字に 指の跡を 付けられたら


 数字は 結晶に なれるか 指の跡がつく 柔らかな 結晶 それを 煮詰めた 飴


 今日が 無くなるのは 溶けるからか 今日と明日は 掴めない 結晶 今日と明日 ひょっとして昨日も 飴として 溶ける 包まれるのに 掴めない どこにある ここに 溶けた飴が 間違いなくある 指で押せば 跡が


指で押した 跡 数字 28 とか 26 とか 30とか 数字に跡がつく 数字の跡がつく 


 遠くなる 飴 溶け残りは どこに かどに 薄暗がりの 四角い場所に その影に


 影から出たら また 溶ける 甘い 結晶 指の跡 数字 

 

 掴めない 結晶 味も分からない けど 甘い  

固まることはない 固まるのに 数字の形に 指の跡を付けて せめてもの 区切りに

                おしまい

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区切られている 肥後妙子 @higotaeko

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