運命に翻弄された、ひと夏の切ない恋物語
- ★★★ Excellent!!!
夏休み中、美術部に所属する主人公の女子高生・美桜は、いつものように部室でカンバスに向かっていました。
その時、あまり親しくはない同じ美術部員の男子・霧島舜が美桜に話しかけてきた。しかし舜は、自分は舜ではなく、二卵性の双子のうち何らかの理由で母親の胎内で消え去ったもう一人の兄弟だと告白しました。
名前の無かった彼に、美桜は「葉月」と命名し、二人はつかの間の楽しい時間をすごした。葉月は舜の中にいた時から美桜に好意を抱いており、美桜も、やがて葉月に恋心を抱くようになりました。しかし、一方で葉月が再び舜の中に戻されてしまう時は刻一刻と近づいていました。
「バニシング・ツイン」という現象により悲しい運命をたどり、美桜への想いが伝えられない葉月の気持ち、美桜の叶わない恋心が切なく描かれています。
最後の部分には、これからの二人の恋の行方にほんのり希望が込められているようにも感じました。
ぜひ御一読ください。