第34話 プレゼント大作戦! おいらの気持ちは!!
ステラの誕生日がやってきた。ブルーは珍しく朝早くに目を覚ますと、ステラの寝顔を覗き込んだ。ステラはまだ夢の中のようだ。
プレゼントはブルーの寝床の布団に隠されている。少々シワになってしまった包み紙の中には、帽子やマフラー、手袋のセットが入っている。雑貨屋でブルーが選んだもので、ギリギリの時間まで悩んだプレゼントだ。
「んん、おはようございます。ブルー」
「起きたのか! おはよう、ステラ!」
ステラは誕生日の事を忘れているのか、いつも通りに目を覚ました。ブルーはふわりと飛んで、カーテンを開けた。シャーっという音と共に、窓の外からは眩しい光のカーテンがなびいた。外は一面の雪景色になっており、ツンとした冷たさが染みわたってくる。
「わあ、まっしろですね!」
「これが雪ってものなのか? おいら、触ってくる!」
ブルーは窓を開けた。冷たい空気が、むずむずとブルーの鼻をさした。
「ぶうぇ~っく! ちゅっちゅん!」
「だ、大丈夫ですか!? せめてマントを羽織っていってくださいね」
「ぷえー! 今日のところはやめといてやるぜ……!」
雪の登場に、ブルーはステラの誕生日を忘れるところだったのだ。ステラの誕生日に風邪をひくわけにはいかない。ブルーはステラにマントを羽織らせてもらうと、嬉しそうに振り返った。腰に手を当て、ステラの前に飛んでいった。
「にやにや」
「ごきげんですね。どうしたのですか?」
「……ステラ、今日が何の日かわかるか?」
「今日?」
ステラは首をかしげ、はてなまーくを頭に浮かべた。目線を天井に向けたのち、ステラは恥ずかしそうに微笑んだ。
「今日はステラの誕生日だ! ステラ、誕生日おめでとう!!」
ブルーの言葉に、ステラは涙を浮かべた。ブルーは慌てて自分のベッドへ向かうと、布団に隠していたプレゼントを取り出した。
「えっへん! ……これ、誕生日プレゼントだ!」
「わあ! ありがとう、開けてもいいですか?」
「もちろんだぜ!」
ステラは丁寧に包み紙をめくっていった。指が少し震えていたが、包み紙が破れることはなかった。中からは、赤いマフラーと帽子、手袋のセットが現れた。ステラの表情がパァッと明るくなり、星の瞬きのような美しい金髪がふわりと宙を舞った。次の瞬間、ブルーはステラに抱きしめられていた。
◇◇◇
プレゼントを握りしめながら、ステラはブルーを抱きしめていた。ブルーは気恥ずかしそうにしながら、顔を上げた。
「なあ、ステラ。おいら、ステラの友達になれたか?」
「はい! 友達ですよ!」
「……おいら、次はステラの家族になりたいんだ!」
ステラは慌てて顔を上げた。涙が光るその瞳は、ブルーと同じルビーの瞳をしている。キラキラと煌めくその瞳には、まっすぐと見つめるブルーが映っている。
「ずっと考えてたんだ。ステラはずっと一人ぼっちだった。でも今はミミィやロジャーに囲まれて、友達も増えた! だから、おいらだけはステラの家族になりたいんだ。おいらがステラの兄ってのは、どうだ!?」
「ふふふ、私が妹なのですね。嬉しいです。今日から私とブルーは兄妹ですね!」
「……おう!」
ステラはゆっくりとブルーを離した。ステラはマフラーを首に巻くと、手袋をはめた。ブルーは残った帽子を受け取り、ステラの頭にそっとかぶせた。ステラは涙を浮かべながら、ブルーを見つめた。
「似合いますか?」
「とっても似合うぜ! 鏡見てみようぜ!」
ステラは嬉しそうにうなずくと、鏡に向かった。そこにはパジャマのままのステラが立っていた。赤い帽子、赤いマフラー、赤い手袋をしているところが、いつもと違っていた。息を飲み、涙を流すステラ。ブルーはステラが悲しくて泣いているのではないとわかっていた。ブルーが何も言わず、ステラの言葉を待っていると、ステラはゆっくりと振り返った。
「ありがとう、お兄ちゃん」
「へへ! でも呼び方はブルーの方がいいな!」
「そうですね、ブルー!」
寒さを忘れるほど、温かな笑みをこぼしながら、二人は見つめ合って笑っていた。
― ブルーの気持ち、ステラに届いたね! つづく! ―
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