ひょんなことからあやかしの妖狐・楪葉京と同居することになった桜戸叶。年上でありながら自由気ままな京に振り回されつつも、どこか憎めない彼との掛け合いが良いです。
最初はウザいと思っていても、いつの間にか日常の一部になっていく。その過程の描写が自然で、こちらも叶と一緒に京のペースに巻き込まれてしまいます。京の底知れない一面や、叶の素直になれない気持ちが垣間見えるシーンには、ほろりとすることも。
また、和菓子屋という舞台が、物語にどこか温かみを添えています。琥珀糖を食べるシーンや、狐耳を撫でる場面など、細やかな描写が心地よく、読後感も優しいものにしてくれるでしょう。
京の「過去」や叶の「未来」、そして二人がこれからどんな関係を築いていくのか――続きが気になる、魅力あふれる物語です。