懐かしいゲームをきっかけに、十年前に止まってしまった関係が少しずつ動き出していく流れが、とても優しかったです。
クソゲーなのに忘れられない。
嫌な思い出もあったはずなのに、それでも一緒に遊んだ時間だけはちゃんと残っている。
その感じがすごく良かったです。
咲美が剣君の声を覚えていたことも、剣君がマルティンという役にそこまで思い入れを持っていたことも、どちらも「好きだった時間」が消えていなかった証のように感じました。
過去を大げさに美化するのではなく、
怖さや後悔も残したまま、それでももう一度話してみる。
タイトル通り、雪が解けていくような、静かであたたかい読後感でした。