劇団長殺人事件
湊香あおと
前文
拝啓、この手紙を読んでくれている君へ
今これを読んでいる季節はいつですか。
今これを書いている私はクリスマスを終え、もうすぐこの一年が終わります。
あなたにはこの一年がどう映ったのでしょう。
突然ですが、これはとある町にある小さな劇団の団長が失踪した事件についてまとめたものです。
ある人からみれば優秀な役者。
ある人からみれば憎き大根役者。
ある人からみれば完璧な劇団長。
ある人からみれば情けない薄情者。
人間みんなそれぞれいい人を演じる。
時に自分を守る盾として。
時に相手の隙をつく剣として。
それはそれはかっこいいねこの皮を被って。
さあ、この物語の主人公になれたであろう、劇団長。
今どこにいますか?
元気にしてますか?
さあ、この物語の主人公にさせらた、探偵くん。
今どんな気持ちですか?
せいぜい、苦しんでください。
これは私があなたに向けて書く最初で最後のラブレターです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます