物語は、主人公の七葉が仕事をクビになったところから始まります。七葉は両親との関係があまり良くないものの、大事に思う気持ちもあり、複雑な感情を抱えています。そんな中、突如現れた『影』に両親が取り込まれ、消失してしまいました。
七葉は双子の妖狐に助けられ、常連だった喫茶アルカナムで働くことになりますが、そこで、妖怪たちが実は客として訪れていたことも知ります。彼らはとても癖が強いものの、決して悪い妖怪ではなく、あたたかく人間味にあふれていました。
『影』の正体を追う物語の中で、特に印象的な点は、双子の妖狐との関係性を深めつつ、七葉自身が成長を遂げていく過程にあると感じました。彼女の内面的な変化や成長が丁寧に描かれており、それが一気に表出する胸アツ展開がありました。
この作品は妖怪が登場するだけでなく、タロット占いも重要な要素となっており、章題にもタロットにまつわる言葉が使われていて、全体を通して漂う神秘的な雰囲気も魅力の一つです。また、料理描写にも力が入っており、思わずお揚げが食べたくなるようなシーンもありました。
少し不思議であたたかい物語をお求めの方におススメです!
主人公の七葉(なのは)は、新卒の会社員……だったのですが、物語の開始早々に解雇されてしまいます。
落ち込む彼女を、やさしく受け止めるのは洋風喫茶店「アルカナム」の双子のイケメン店員。
おいしいケーキとコーヒーで、ささやかな癒しの時間を過ごしたのもつかの間。
七葉は、謎の怪異に襲われてしまうのですが……。
まるでドラマを見ているように、一気に読んでしまいました。
怪異といった、ファンタジーの要素もふんだんにある作品なのですが、七葉の気持ちや境遇がとても身近で共感しやすいためか、とてもリアルな感じが伝わります。
なにより、七葉を癒したケーキとホットミルクの描写がもう、たまりません!
読んでいる私も、じーん、と癒される心地でした。