◇二人のキズナ◇

1 焦がれるゆえに

第1話

運命の赤い糸って本当にあるのかな。


 本当にあるとしたら、目にすることが出来ないかな。




 そんなものはどんなに願っても見えない。



 でも、見えなくたっていいのかもしれない。


 心の中ではもう決まっているのだから。





 あたしの運命の人。





 もし糸が見えたら自慢したい。



──この人が運命の人です。



 って。





 そしたらもう、誰にも邪魔させたりしないのに……。

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