20世紀初頭のロンドンを舞台に、様々な立場と思惑を持った人々が、不老不死の処方箋を巡って暗躍するファンタジー×ミステリー。
過去と現在を行ったり来たりしながら進む物語が、登場人物たちの様々な事情や因縁をじわじわと炙り出してゆきます。
もしかして…?いや、違うかも…。いや、そうだ!!
と、読者の期待を読んでいるかのように進むストーリー。処方箋に隠された謎や、人物関係が、パッと照らされるようなシーンが、本当に気持ちいい!
謎が解ける瞬間。あるいは、自分で解いた謎の答え合わせをする瞬間の気持ちよさを味わわせてくれるミステリーです。
ここまで作品世界への没入感があるのは、錬金術や20世紀初頭のロンドン、そこに暮らす人々の生活感を、見事に描写しているからでしょう。
これ以上、多くを語ることはしません。読めば面白さがわかります。
ぜひ、お読みください。