このかたの作品は以前にも何度か読んだことがあり、「安定していて、しっかり面白いな」という印象を抱いていました。
この作品は視覚的な美しさもあって驚きました。
とても美しい…と、簡単に言っていいのでしょうか。もしかしたら時間をかけて悩みながら形を整えたのかもしれません。そうだとしても、美しく並べるセンスがあることはたしかなので、羨ましいです。
もうこの美しさだけで星3の価値があります。(この作品、もっと星がついていいのに!)
視覚的な表現力ばかり書いていますが、ストーリー(文章)も安定の良質でございます。
読んでいるうちに、スノードームを壊したい欲に憑かれます。
スノードームをあるものに見立てて「壊したい」と望んでいる主人公。でもその破壊の先にあるのは決して「死」ではありません。まだ生きていくからこそ、破壊しなければなりません。
また、母にむかってあることをするシーンは見ものです。描写がとても美しいので、ぜひいろんな人にも読んでほしいです。