第8話

槍を装備したゴブリンが俺を攻撃してくるが、何十匹と戦ってきたモンスターであり尚且つ身長差も悔しいが余り変わらない。だから狙い所は基本的に俺の心臓か下腹部。だからこそ読みやすい。


「フン」


『ギャ!?』


心臓に向かって突いてくる槍を少し体を逸らす事で回避、そのまま突いてきた奴の頭を掴み、そして…


「取り敢えず消えろ」


『ガボス!?』


そのままジャンプして顔面にプロテクターを付けた膝で膝蹴り、元々脆い頭蓋骨がそれに耐えられる訳もなくそのままゴブリンは顔面が陥没して光の粒子になり消える。


『ギャ!』


すると背後に石の棍棒を持ったゴブリンがフルスイングしてくるが、それも想定済み。というかいつものパターンだ。


「だれが近接格闘だけ使えると言ったよ?」


だから俺は前転をした後に懐から猫用で販売しているレーザーポインターを取り出してゴブリンの左目目に向けて使う。するといきなりの赤い光に驚いたゴブリンが急いで目を左手で押さえる、その隙をついてダッシュで近づいて取り敢えず無防備な腹にドロップキックをかます。

するとゴブリンはそのまま壁まで吹っ飛び、動かなくなり光の粒子になる。

俺は急いで立ち上がり、最後の1匹と戦おうとする…が、


「え、えい!」


『ギャバス!?』


最後の1匹は俺がボーパルラビットから回収した園芸用の錆びたナタを装備した女性により首を切られて絶命、たった今光の粒子になり消えた。


「はぁ…はぁ…」


ゴブリンを倒した後に女性はその場に座り込む、しかし俺は急いで座り込んだ彼女の元に向かい、手を差し出す。


「立て、たぶん2分以内に次が来る」


「え…と、コレは一体何ですか?後、何で子供がダンジョンにいるんですか!?」


俺が彼女を立たせようとするが、彼女はそのままの体勢で俺に質問攻めをする。だから俺も困り顔をしつつある質問をした。


「アンタ、その口調だと今日初めて CWDタイプのダンジョンに来た口だな。だから転移陣の罠と『モンスターウェーブ』の罠に引っかかってもこんな感じなんだ…立てよ、死ぬぞ?」


「…え、モンスターウェーブ?」


俺の言葉に、彼女は?マークを浮かべる。俺はそれを見て予想が的中したのを確信し、ため息を吐いた後に真顔になる。


「モンスターウェーブは一気に大量のモンスターがいる部屋に閉じ込める『モンスターハウス』の罠の派生系。出てくる数は少なめだが3回連続でモンスターと戦う、出てくるモンスターはランダムだが間違いなく殺意しかない奴がくるからかなり危険な罠だよ。さっきのゴブリンは最初の段階、残り2回は嫌でも強制的に戦う事になる。だからはやく立ちな、あと俺の鞄に青色のポーションがらあるから怪我が心配なら使っていいから」


俺がそう言うのと同時に後ろから気配を感じ、振り向くとそこには5匹のバッタがいた…体は牛みたいに馬鹿でかいがな。


『〜!!』


「ひっ!?」


「おいおい、今日はやけに虫系を見ないと思ったらここにいたのかよ。しかも装備まで綺麗に食べる超悪食のモンスターの『グラトニークリケット』を5匹とか普通に殺しにきてるな」


その姿を見た彼女はビビりながらも立ち上がってナタを構え、俺は苦笑いをしながらいつでも飛び出せる様に小刻みにジャンプをする。


「さて、取り敢えずその武器だと甲殻に弾かれるのは間違いない。だから関節の節やら甲殻と甲殻の隙間を狙うか目玉を攻撃して倒すしかないが…できるか?」


「で、できます…ですが、君はどうするんですか?見た所、近接格闘が中心だよね?」


「ああ、それは…」


俺達はそう話すが、5匹のモンスターの内の1匹が俺に向かってジャンプしてくる。彼女は驚くが俺は冷静になって右に避けた後に、奴の赤色の眼球にメリケンサックを握った拳を肘まで深く突き立てる。


『〜!!!』


するとしばらく暴れたのちにそのまま絶命、光の粒子になり消えた。


「こうやって眼球を深い所まで殴ったら勝手に死ぬ、多分死因は脳的な器官を攻撃されたからだとは思うがそこは知らん。後、俺は子供じゃない。中学2年生の14歳だ」


「いや、スゴ…ん?14歳…14歳!?その見た目で年上なんですか!?」


俺はベトベトになった腕を見ながらそう説明した後に俺の年齢をいうが、どうやらこの女性は俺より年下だったらしい。


「…やっぱり、身長が130センチ以下の人間は普通に年齢も間違えられるのか…せめて140センチは欲しいのに現在の身長は128センチ…悲しくなるぜ、本当に…」


「いや、それだけじゃなくて童顔で更に肌も綺麗だから普通に間違え…!?」


俺がまた自分のコンプレックスをいじられたせいで落ち込み始め、それを見た彼女が急いでフォローに入る…が、そんな隙をモンスターが見逃す筈もなくそのまま残りの4匹が襲いかかってくる。

俺達はそれを見てそれぞれ急いで別方向に飛び、回避をすると俺はその内の1匹に近づき後ろ足の関節に蹴りを一撃入れてこちらを向かせる。


『?』


だが、身長差のせいで攻撃されたのだが俺が見え無くて困惑しだすモンスターの真横に移動。

そのまままた眼球パンチをお見舞いして1匹を処理した。



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