序章
女と男が出会った日
第1話
「“皆上”刑事ー!早く来てくださいー!」
男が意識が薄くなる中聞いたのは女の高すぎず、低すぎずの声。近くにいるのか遠くにいるのかさえはっきりしないけど、男はその声に救われた。
皆上という名はこっちの世界ではある意味有名で、男の事を散々痛めつけていた奴らが遠ざかっていくのを足音で感じていた。
「あーあ、ぼろぼろだねえ。痛そ」
「……、」
倒れていた男は覗き込む女の顔がぼんやりと見えた。けれど意識は下へ下へと落ちていく。
どうか名前だけでも知りたい。そう思ったけど次に目を開けた時には女の姿は無くて、男が見たのは真っ白な天井だった。
ああ病院にいるのか。
何度も経験して見慣れた天井にため息が漏れた。もう一度ゆっくりと力強く瞳を閉じて男は決意した。
ーーーーーあの女にもう一度会う
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