第168話

葉月ちゃんがトイレに席を外すと、純くんが私のところにやって来た。




なんだろう?




よく焼けたニンジンにかぶり付きながら、首を傾げた。




「あのさ、」


「うん?」


「葉月から、なんか聞いた?」


「うん」


「……」




純くんは、はぁと溜め息を吐いてしゃがみ込むと、頭をわしゃわしゃかき混ぜた。




「謝らないの?」




純くんの後頭部に言ってみる。




頭は動かないまま、返事だけ返ってきた。




「謝らないよ」


「なんで?」


「おれ、悪くないし」


「葉月ちゃん泣いてたよ?」


「……」




私は純くんの言葉が途切れた隙に、お肉の塊を口に入れた。




やっぱりおいしい。

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