第163話

うーんと背伸びをして、葉月ちゃんは私を振り返った。




「零、聞いてくれてありがと」


「ううん」


「あー、すっきりした」


「そっか」


「うん」




まだ目が少し赤いけど、もういつもの葉月ちゃんだ。


私は何もできなかったけど、少しでも元気になったならよかった。




「おなかすいたね、今日バーベキューなんだよ」


「ほんと?楽しみ!」




葉月ちゃんが笑ってくれてるなら、私も笑わなきゃ。


元気に相づちを打って、ふたりで部屋を出る。




広いリビングに行くと、葉月ちゃんのパパが庭でバーベキューの準備をしてるのが見えた。




私たちは小さく笑い合うと開け放たれた窓を飛び出して、日差しで眩しい庭へ躍り出たのだった。

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