第109話

ママに浴衣を着付けて貰って、髪もヘアピンでまとめる。




相変わらず細くて柔らかい髪質のため、いつも短めの髪だけど、


ガラス玉の付いたピンはとっても可愛くて、ちゃんと女の子らしく変身できたみたい。




「うんうん。可愛いよ、零」




自信満々に頷くママに、少し照れる。




「じゃ、次は那由多くん呼んできて」


「えっ?」




なんで那由多?


と思ったけど、ママはすでにクローゼットを再び漁っていて、聞けなかった。




とりあえず、言われた通り那由多を呼びに行く。




「那由多ー」


「おぉ!零、可愛いなぁ!」


「えへへ。パパありがとー」


「待ってろカメラ取ってくる!」




パパはカメラを取りに素早く立ち去った。




「那由多、ママが呼んでるの」


「……」




リビングに取り残された那由多に声をかけるも、反応がない。


ちゃんとこっちを見てるけど、まるで石像みたいだ。

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