第55話

家の中だけど帽子とマフラーをつけたまま、朝ごはんを食べていたら、チャイムが鳴った。




「あ、ママかな」


「きっとそうね」




那由多のママが玄関に行ってしばらくすると、パパとママと一緒に戻ってきた。




ママは笑顔で、私と那由多の頭を撫でる。




「おはよう、二人とも」


「「おはよー」」


「零、良い子にできた?」


「できた」


「本当に?」


「ほんとうだよ!」


「零ちゃん、本当に良い子だったわよ。ねー」


「ねー」




那由多のママと首を傾けてアピールする。


それを見てママが、懐柔してる、やるわねって言ったけど、意味わからなかった。

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