第41話

噂はたちまち広まって、練習を見に来るギャラリーが出始めた。


きっと、1年生がひとりで部活なんか作ったから、珍しいんだと思う。




正直言ってやめて欲しいけど、


今ちょっと騒がしいだけで、すぐに落ち着くと思っていた。




のに、




「なに抜け駆けしてんの!」




昼休みに友達と通り掛かった渡り廊下で、そんな声が聞こえてきた。




「別にしてない」




淡々とした別の声も聞こえた。




目をやると、人気のない中庭には見覚えのある女子がふたりいる。


あれはクラスメートだ。




「してんじゃん!その入部届けなに!?」


「あたしがなに部に入ったって、関係ないじゃん」


「はぁ?」




うわ、喧嘩かな。


隣で同じく立ち止まってしまった友達と視線をあわせて、お互い眉間にシワを寄せた。




見なかったことにして、さっさと退散しよう。


女子の喧嘩に巻き込まれたら、いいことなんてひとつもない。


目で会話をしてまた歩き出した。

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