RUN ー京ー

第1話

どういう訳か、俺はモテる。




うぬぼれてる訳じゃなくて、客観的に見ての話。




いつも周りには女の子が集まってくるし、たまに“好き”って告白してくる子もいたから、たぶん間違いないと思う。




でも、それを嬉しいと思ったことはなかった。




バレンタインに鞄に入りきらないくらいのチョコを貰ったのは、あれはちょっと嬉しかったけど、


それでも正直言って男友達と遊んでる方が楽しかった。




中学生になったっていうのに、女の子に興味の薄い俺は、おかしいのかな。


友達にもよく変だって言われていた。




でもしょうがないじゃんか。


そんなこと言われたって、好きな子ができないんだから。




男友達が、何組の誰がかわいいとか言う話もあんまり興味ない。


適当に相づちをうって、いつもぼけっと聞き流してた。




あーあ。


つまんね。


なんか面白いことないかな。




最近そんなことばっかり思ってた。

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