化け物miカちゃん
《やっと繋がった!!》
《すごい音が聞こえたけど大丈夫か?!》
そう心配する声に
「ごめん..菜々のこと守れなかった...」
と返事すると一瞬にして絶望の空気が漂った。
そんなことは見なくても分かってしまうのが
嫌で嫌でたまらない。
《遥は?大丈夫だったの?》
そんな優しい陸の声に
「私はmiカちゃんに見えないのかも」
と返事すると
《じゃあ一か八か、あのクローゼットの場所に行ってみてくれ》
《何か情報があったらまた電話かけて》
そんな海夏人の声を最後に通話は終わった。
腰が抜けて、手足がガクガクと震えて、
立つのに少し時間がかかった。
自分がmiカちゃんに見えないと分かっていても、
あんなのを目の前で見せられて大丈夫なわけが無い。
だけど早くしないと陸たちにも被害が及ぶかもしれない。
そう思い、意を決して立ち上がる。
そして2階のあのクローゼットの部屋に向かった。
ギシギシと木が軋む音が
階段から湧き出るように鳴り響いた。
ゆっくり上がってるのにも関わらず、
音は鳴り止まない。
瞬間、
【こっちかなー】
と言いながら物凄い速さのmiカちゃんが
私の横を通り過ぎて2階へ上がって行った。
明らかに人間じゃない動き。
あれは化け物だ。
だけどやっぱり私はmiカちゃんに見えていないらしい。
見えているなら私のことを殺すはずだし。
殺さなかったってことは見えていない。
多分。
クローゼットに入り、
クローゼットのドアを閉める。
中は一瞬で真っ暗になり、
手探りでくぼみを探した。
「あ、あった..」
くぼみはあったものの、
ぬいぐるみらしきものは無いようだった。
その代わりに、紙のようなものがあった。
クローゼットから出て、
明るいところに行き、
早速読んでみることにした。
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