第30話
成光と福助の二人だけが
屋敷から逃げ
城に戻ってから、
丸一日が経った
成光は母親と対面した
布団で静かに眠る小羽
「――母上、本当に
もう…生きてはいない
…のか?」
成光は泣きながら、
小羽の眠る布団を
握り締めるように
掴んでいた
「ごめんなさい…。
ワシのせいで…」
何度もそう叫んだ
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