第2話 果て無き冒険スピリッツ
**「音也!音也!」**
「お兄ちゃん!もういい加減に出てきてよ!大学生にもなってそんな子供っぽいことして!」
「無理……声が限界だ……」
「……私も」
島中を探し回った結果、もう周辺の島を探すしかない状況だった。
「他の島と言ったら……船で行く範囲だと、もうこの辺りにはいないだろうな」
「つまり?」
「沖縄を出て、東京とかに行ってるのかも」
「……違う。大都市なら台北の方が近い。それだと国外脱出だ」
「……最近人身売買の事件が多いって聞くし……」
「……でも兄貴、体力には自信あったはずだよ?まさか女一人に拉致られるなんて。あの女、スーパースパイでもない限り」
「そうだよね……ただの普通の女の子だったよ。弥子ちゃんと同い年くらい……音也本人とは同学年くらいかな」
「……もう警察に頼むしかないね」
「そうしよう。ここまで探したんだから」
真昼の太陽の下、二人の女性が家族を探し続けていた。
「そういえば弥子、学校は?」
「え?あっ!!」
「探すのに夢中で忘れてた」
「どう説明しよう……」
「……警察に届け出れば、事情を説明して遅刻の理由にできるかも……」
「……そう願うしかないわね」
◇
**「お前ら……一体何者だ?」**
「自己紹介が遅れましたね。私たちは『多国籍共同対外特殊部隊(Multinational Universal Specialized External Security)』、通称MUSESです」
「……聞いたことない」
「簡単に言えば、国連直轄の機関で、あなたのような若者を募集しています」
「募集……?」
やばいやばい……言葉巧みに誘拐されそうだ。カンボジアやミャンマーどころか、今の私は美少女なんだから……
「東京の地下街に売り飛ばされたら……」
思わず唾を飲み込む。
今私は彼らの黒いセダンに乗せられていた。外見はごく普通だが、明らかに普通じゃない。
まず乗り心地。全く揺れない。実家の軽トラとは大違いだ。動いている感覚すらなく、まるで個室にいるようだった。
次に防音。外の音が一切聞こえない。エンジン音さえも低い唸りのようで、会話がなければ不気味なほど静かだ。
そして完全に遮光された窓……外が見えない。
「もしかして……わざと外が見えないようにして、どこか別の場所に連れていくつもり?」
「今すぐ脱出しなきゃ!」
だが相手は二人。直感的に、とてもかなう相手じゃないとわかる。
今の体に慣れていない上に、私のへっぽこ空手じゃ太刀打ちできまい。
「はあ……油断したせいで罠にかかった。どうしよう」
「まったく太郎ったら、みんなに迷惑かけて」
「失礼。彼は口が悪いんです」
「改めてご説明しますが……私たちの背景を全て話すには時間がかかります。ほとんどが機密事項ですので」
「まずこの秘密保持契約書に署名をお願いします」
「……サインしない」
「なぜです?」
「もしかしたら売身契約かもしれないだろ?ドラマでよく見るぞ」
「こいつ……警戒心が強い」
来た来た……悪役の定番台詞。
「……まあいい。本部で直接説明させましょう」
「本部?この島に?」
「与那国島?いいえ。とっくに出ています」
「沖縄県ですらありません」
「ご存知かわかりませんが、ここは日本の首都、東京都です」
「……え?」
「ええっ!?」
**(緊迫感漂う日本語訳・謎の組織編)**
**「音也!音也!」**
「お兄ちゃん!もういい加減に出てきてよ!大学生にもなってそんな子供騙しみたいなことして!」
「無理…声が限界だ…」
「…私も」
島中をくまなく探し尽くした結果、もう周辺の島を探すしかない状況だった。
「他の島と言ったら…船で移動できる範囲だと、もうこの辺りにはいないだろう」
「つまり?」
「沖縄を出て、東京とかに行ってるのかも」
「…違う。大都市なら台北の方が近い。それだと国外逃亡だ」
「…最近人身売買の事件が増えてるって聞くし…」
「…でも兄貴、体力には自信があったはずだよ?まさか女一人に拉致られるなんて。あの女、特殊工作員でもない限り」
「そうだよね…ただの普通の女の子だったよ。弥子ちゃんと同い年くらい…音也本人とは同学年くらいかな」
「…もう警察に届けるしかないね」
「そうしよう。ここまで探したんだから」
真昼の太陽が照りつける中、二人の女性が家族の行方を捜し続けていた。
「そういえば弥子、学校は?」
「え?あっ!!」
「探すのに夢中で忘れてた」
「どう説明しよう…」
「…警察に届ければ、事情を説明して遅刻の理由にできるかも…」
「…そう願うしかないわね」
◇
**「お前ら…一体何者だ?」**
「自己紹介が遅れました。私たちは多国籍共同対外特殊部隊(Multinational Universal Specialized External Security)、通称MUSESです」
「…聞いたことない」
「簡単に言えば、国連直轄の機関で、あなたのような若者を募集しています」
「募集…?」
やばいやばい…言葉巧みに誘拐されそうだ。カンボジアやミャンマーどころか、今の私は美少女なんだから…
「東京の地下社会に売り飛ばされたら…」
思わず唾を飲み込む。
今私は彼らの黒いセダンに乗せられていた。外見はごく普通だが、明らかに普通じゃない。
まず乗り心地。全く揺れない。実家の軽トラとは大違いだ。動いている感覚すらなく、まるで個室にいるようだった。
次に防音性能。外の音が一切聞こえない。エンジン音さえも低い唸りのようで、会話がなければ不気味なほど静かだ。
そして完全に遮光された窓…外が見えない仕様になっている。
「もしかして…わざと外が見えないようにして、どこか別の場所に連れていくつもり?」
「今すぐ脱出しなきゃ!」
だが相手は二人。直感的に、とてもかなう相手じゃないとわかる。
今の体に慣れていない上に、私のへっぽこ空手じゃ太刀打ちできまい。
「はあ…油断したせいで罠にかかった。どうしよう」
「まったく太郎ったら、みんなに迷惑かけて」
「失礼。彼は口が悪いんです」
「改めてご説明しますが…私たちの背景を全て話すには時間がかかります。ほとんどが機密事項ですので」
「まずこの秘密保持契約書に署名をお願いします」
「…サインしない」
「なぜです?」
「もしかしたら売身契約かもしれないだろ?ドラマでよく見るぞ」
「こいつ…警戒心が強い」
来た来た…悪役の定番台詞。
「…まあいい。本部で直接説明させましょう」
「本部?この島に?」
「与那国島?いいえ。とっくに出ています」
「沖縄県ですらありません」
「ご存知かわかりませんが、ここは日本の首都、東京都です」
「…え?」
「ええっ!?」
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