ラブラブ

そんな話をして歩いていると先頭の慧さんが


急に立ち止まった。


「見つけた」


「よし、ルイ行ってこい」


「了解~」


「え、俺じゃないのですか?」


「今日の子はルイの方が良さそうだからな」


「....分かりました」


エルも案外可愛いところが


あるのかもしれない。


でも動物が喋ったら驚いちゃうんじゃ...。


そんな私の心配は他所に、


ルイは白髪の男性の姿になった。








𖤣𖠿𖤣𖥧𖥣。𖥧 𖧧𖤣𖥧𖥣。𖥧 𖧧𖤣𖠿𖤣




「ママ~!!どこ~?!」


「君、どうしたの?」


「おにいちゃん...?髪真っ白...」


「ママ...いない...」


「ママに会いたい?」


「うん....」


「じゃあ、この葉っぱに願い事書いて?」


「『ママの所に帰らせてください』って」


「うん!」






「できた!」


「ありがとう」


「そこ、真っ直ぐ行ったらママに会えるよ」


「本当!?」


「おにいちゃんありがとう!」


「ばいばい!!」


「あ、君」


「ここであったことは内緒ね?」


「分かった!」


「じゃ、ばいばい」


「ばいばい!」




𖤣𖠿𖤣𖥧𖥣。𖥧 𖧧𖤣𖥧𖥣。𖥧 𖧧𖤣𖠿𖤣




え?神隠しって子供を連れ去るんだよね?


でも帰しちゃったけどいいの?


「未唯、どうした?帰るぞ?」


慧さんが私を遠くから呼ぶ。


私が今の出来事について考えてると


皆は先に帰ってしまったようだ。


というかルイって人間になれるの?


どういうこと?


狛犬ってそういう力をもってるとか?


そのとき視界がぐわんと揺れる。


私は驚いて俯いていた顔を上げると


目の前には慧さんの顔があった。


「!?」


「早く来ないから抱っこしただけだ」


「嫌か?」


「嫌じゃないです...」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る