23.甘い言葉

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==



 山並郁夫とは、俺のこと。

 俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。

 長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。

 ところが、人生、思ったようにはいかない。


 だが、「闇サイトハンター」になって、俺は変わった。

「影の正義の味方」になるのだ。

 大文字伝子様の為に。


 闇サイトは、ある程度時間開いて、閉じる。まるでモグラのように。

 それに、「年中暇な」若者が引っかかる。まるで「疑似餌」に魚が飛びつくように。

 超一流ハッカーの俺は、その「開いて閉じる」サイトの様子を記録するシステムを開発した。年中24時間見張っている訳にはいかないからだ。


 闇サイトが大流行りだ。

 だが、そのお陰で真サイトであるSNSも大流行だ。


 午前1時。Base Bookにパラ・リヴァイアサンから、EITO宛の挑戦状が届いた。

『こころ子供亡い』

 画面の下の方に、次の英文が見えた。

“Do you understand,courage?"


「分かるか、勇気?・・・ユウキ?・・・まさかな。」

 翌日。俺は、見付けた。闇サイトでの勧誘を。システム作っておいて良かった。

「統率力ある、勇気ある若者を望む。大学でのゲームだ。部下は大人だが、采配する人間が必要だ。」


 こんな甘い言葉に、ゲンナマ積まれたらイチコロだな。


 で、こういう、おっちょこちょいは必ずSNSでダチにコクる。

 ダチも、おっちょこちょいだから、他の、おっちょこちょいに話す。

 基本的に「ここだけの話」ってのは、「ここからの話」なのだ。

 だから、ボロはすぐ出てくる。

 その翌日。場所は、慶応か。ん?待てよ。


 俺は、同じ日に、アイドルグループの握手会があることを発見した。

 こういうグループに付きものの、ファンクラブを調べると、『枝』を請け負った予備校生の名前があった。

 酷いな。握手会の後に、バトルのバイトかよ。幾ら貰ったんだ?後金なんか無いぞ。


 こりゃあ黙って居られない。

 俺は、藍月バーをかじりながら、警視庁の『目安箱』に当日届くようにメールを送った。


 伝子様には、いつでも、ご注進するぜ。

 殺し屋にならなくて良かった。


 一寝入りするかな?夏は長い。昼も夜も暑い。


 ―完―



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