7
ホログラムスクリーンが再び点灯し、無機質な声が響き渡る。
「課題7: 告発の瞬間」
部屋の空気がさらに重くなる。参加者たちが互いに視線を交わしながらも、疑念に満ちた表情を浮かべていた。
課題の目的とルール再確認
「課題の目的: チーム全体で裏切り者を特定し、告発すること。」
ルール:
各プレイヤーは匿名で「裏切り者と思う人物」を1人選ぶ。
最多得票者が裏切り者として告発される。
成功条件: 裏切り者を正しく特定する。
ペナルティ: 成功すれば記憶1つ返還。不成功の場合、全員が記憶を -2 喪失し、告発された人物にはさらに -1 が追加。
「裏切り者を見抜くか、それともさらなる疑心暗鬼に陥るか──お前たち次第だ。」
無機質な声が静かに響き、カウントダウンが始まる。
『モニタリングルーム』
スクリーンに映し出される参加者たちの姿を眺める関係者と権力者たち。
「ショウの記憶を操作する。彼にはさらなる重荷を背負わせる。」
「いや、それならサクラだ。彼女の特別な力を刺激して場を混乱させるべきだ。」
関係者Aが画面に手を伸ばし、決断を下す。
「サクラのために記憶を1つ戻してほしい。彼女はこのゲームで死ぬべき人間じゃない。」
しかし、その瞬間、権力者が横から割り込む。
「その願いは聞き入れよう。ただし、記憶を改ざんさせてもらう。」
主催者が冷笑を浮かべながら答える。「では、特別に“都合の良い記憶”を返そう。」
サクラの突然の変化
突然、サクラ(2)の表情が変わる。
「…私…覚えてる。」
彼女は急に笑みを浮かべた。「私には力がある。みんなを導ける力が。」
「サクラ…お前、大丈夫か?」
アキラ(1)が心配そうに声をかけるが、彼女はその言葉を無視して言い放つ。
「この場に裏切り者がいる。私はそれを感じ取れる。」
議論の混乱
1. アキラの冷静な分析
「サクラ、落ち着け。」
アキラ(1)は彼女を静かに制した。「感じ取れると言ったが、それは本当にお前の記憶なのか?」
「記憶…?」
サクラは一瞬戸惑った表情を浮かべたが、すぐに笑顔を戻した。「大丈夫。これが私の力だから。」
「その力とやらが、裏切り者を特定できる根拠になるのか?」
レンジ(9)が冷たい視線で問いかけた。「ただの直感で動くのは危険だ。」
2. ショウの記憶操作の影響
「俺にも…戻ってきた記憶がある。」
ショウ(7)が低い声で言った。
「どんな記憶だ?」
ユウスケ(4)が疑念の目を向ける。
「俺が殺した相手…それは俺の家族だった。」
その言葉に全員が息を呑む。
「家族…?」
アイリ(8)が眉をひそめる。「どうしてそんなことを…?」
「それは覚えていない。」
ショウは苦しそうに目を伏せた。「だが、この記憶は…俺にとって重要なものだったはずだ。」
3. 疑念の連鎖
「ショウが裏切り者だとしたら?」
カズキ(5)が低く呟いた。「その記憶が本物だという保証はどこにもない。」
「そういうお前だって怪しい。」
レンジ(9)が冷静に返す。「これまでの課題でお前の動きは不自然だった。」
「黙れ!」
カズキが拳を振り上げたが、アキラがそれを制した。
「感情的になるな。」
アキラは低い声で言った。「今は、全員で冷静に考えるべきだ。」
投票の実施
「残り時間、5分。」
無機質な声が告げると同時に、参加者たちはそれぞれ投票デバイスに手を伸ばす。
誰が裏切り者か──信念に基づく判断が下される瞬間だった。
課題7の結果発表
ホログラムスクリーンが点灯し、投票結果が表示される。
プレイヤー番号 得票数
サクラ(2) 3票
ショウ(7) 4票
レンジ(9) 2票
その他 2票
「裏切り者として告発されるのは──ショウ(7)。」
その瞬間の衝撃
全員の視線がショウに集中する。
「…俺が裏切り者?」
ショウは静かに呟いた。「それが…お前たちの答えか。」
「ショウ…お前が裏切り者じゃないという証拠がない。」
ユウスケが険しい表情で言った。「この状況では、お前が一番怪しい。」
結果とペナルティ
「裏切り者判定を開始します。」
無機質な声が響き、ホログラムが青く点滅する。
「裏切り者ではありません。」
部屋が凍りつく。
「…失敗だ。」
アキラが低く呟いた。「俺たちは間違えた。」
全員が記憶を -2 喪失。ショウにはさらに -1 の追加ペナルティが適用される。
ショウの言葉
「俺は裏切り者じゃない。」
ショウが静かに言った。「だが、この結果が俺をさらに追い詰めることは分かっている。」
「誰が本当の裏切り者なんだ?」
ユウスケが頭を抱えた。「このゲームは…どこまで俺たちを追い詰める気だ?」
「課題7は終了しました。」
無機質な声が響き、ホログラムスクリーンが静かに消えた。部屋に残るのは、沈黙と重苦しい空気だった。
ショウの冷徹な言葉
「俺を疑って、この結果か。」
ショウ(7)は投票の結果を見つめながら低く呟いた。「疑うだけで終わるなら、次はお前ら全員が終わる。」
その冷たい声に、他の参加者たちは視線をそらし、誰も反論することができなかった。
「ショウ、すまない。」
アキラ(1)が申し訳なさそうに言った。「だが、これがこのゲームのルールだ。」
「ルールを語るな。」
ショウは冷たくアキラを睨む。「お前たちは、自分の選択で仲間を追い詰めただけだ。覚えておけ、この疑心暗鬼が次の犠牲を生む。」
サクラの異常
一方で、サクラ(2)の挙動はさらに奇妙さを増していた。
「大丈夫だよ、みんな。」
サクラはにこやかに微笑みながら、何かを諭すような口調で言った。「次はきっと、私が導いてあげるから。」
「…何を言っている?」
カズキ(5)が不審そうに尋ねる。「お前が導くってどういうことだ?」
「だって、私は特別だから。」
サクラは無邪気に笑った。「私が感じることはきっと正しいの。」
「その“特別な力”ってなんだ?」
レンジ(9)が眉をひそめる。「まさか、また裏切り者の話をし始めるつもりか?」
「ううん、裏切り者なんてもう分かってるよ。」
サクラは目を輝かせながら言った。「でも、それは次の課題で教えてあげるね。」
その言葉に隠された妙な自信と不気味さに、全員が明らかな違和感を覚えたが、誰もそれを口にしようとはしなかった。
アキラの動揺
アキラは静かに頭を抱えていた。
「これで何人目だ…。」
彼の中で、失った記憶と、戻ってきたかもしれない記憶が入り混じり、自己の行動への自信を失い始めていた。
「お前も疲れているな。」
ユウスケ(4)がそっと声をかける。「リーダーぶるのもいいが、お前も限界だろう。」
「…限界かもしれないな。」
アキラは苦笑しながら答えた。「だが、ここで止まるわけにはいかない。」
『モニタリングルーム』
巨大なスクリーンに映る参加者たちの様子を見ながら、権力者たちは満足そうに笑みを浮かべていた。
「サクラが良い感じに狂い始めたな。」
「ショウも追い詰められている。次の課題で面白いことになりそうだ。」
一方、関係者Aは顔を歪めながら画面を見つめていた。
「サクラが壊れる…どうして…。」
関係者Aは主催者に詰め寄るように言った。「なぜ彼女の記憶を改ざんした!」
「お前の意志を反映しただけだ。」
主催者は冷たく答える。「ただし、我々が調整した記憶だがな。」
「こんなこと…!」
関係者Aの声が震える中、主催者は笑みを浮かべた。
「次の課題が始まれば、お前の“愛情”がどうなるか試してみるといい。」
課題8: 真実の選択
無機質な声が響き、ホログラムスクリーンが再び点灯する。
「これより課題8を開始する。」
課題の目的
チーム全体で、与えられた真実と偽りを見極め、正しい選択を行うこと。
ルール
各プレイヤーに、それぞれ異なる「真実」または「偽り」の情報が配布される。
情報は各自の記憶と結びついており、それを元に議論する。
制限時間
30分間の議論後、チームで「真実」と思う情報を1つ選択する。
成功条件
正しい真実を選ぶこと。
ペナルティ
失敗: 全員が記憶を -3 喪失。
成功: 全員に記憶1つ返還。
「裏切り者の存在を考慮し、議論を行え。」
「お前たちが信じるものが、果たして“真実”かどうか──試される時だ。」
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