課題3: 選択の代償


「これより課題3を開始する。」


無機質な声が部屋に響き渡り、ホログラムスクリーンが明るく輝いた。スクリーンには"課題3: 選択の代償"と書かれ、詳細が表示される。


課題のルール


課題の目的: 個々に用意された選択肢から1つを選び、全体の決定に影響を与える。


選択肢の種類:


A: チームに有益な行動を選ぶ。


B: 自分に有益な行動を選ぶ。


結果の条件:


チーム全員の"有益な選択"の合計が一定以上なら課題成功。


自分に有益な選択を取りすぎると、課題は失敗となる。


裏切り者の目的: 自分に有益な選択を取り続け、チームのポイント不足を誘導する。


ペナルティ:


成功: 全員に記憶の断片が返還。


失敗: 全員が記憶を1つ失い、裏切り者は報酬として記憶を1つ回収。


「全員の選択結果が公開されることはない。」

「制限時間は15分。」


静まり返る部屋に冷たい空気が漂う。


揺れる信頼


「これまたやっかいな課題だな。」

カズキ(5)が低く呟いた。


「信じる者が馬鹿を見るって感じね。」

アイリ(8)は冷静な視線をスクリーンに向けた。「全員の選択結果が見えない以上、裏切り者が堂々とBを選んでも誰にも分からない。」


「全員で協力すれば成功する。それ以外の方法はない。」

アキラ(1)が静かに言葉を継ぐ。


「でも、裏切り者がいたら?」

サクラ(2)が不安げに声を漏らす。「私たち、また負けちゃうんじゃないの?」


「結局、信じるしかない。」

ユウスケ(4)は険しい表情を浮かべた。


「信じる、ね。」

ケンタ(10)は苦笑した。「ここで信じた奴が、裏切り者に足元をすくわれるのがオチだろ。」


「じゃあ、どうする?」

アキラはケンタをじっと見据える。「疑心暗鬼に飲み込まれたら、このゲームは勝てない。」


ケンタは視線を逸らし、肩をすくめた。「好きにすれば?」


各プレイヤーの選択


部屋の中央に小さなボックスが出現し、それぞれに手渡される。中には"A"と"B"のボタンが並んでいた。


「制限時間、開始。」


無機質な声とともにカウントダウンが始まる。


アキラ(1)


「俺はAを選ぶ。」

アキラは迷わずボタンを押した。「信じることが唯一の道だ。」


ケンタ(10)


「どうせ誰かがBを選ぶだろう。」

ケンタは薄く笑い、迷うことなく"B"を押した。「俺も自分の利益を取らせてもらうさ。」


サクラ(2)


「みんなを信じる。」

サクラはAを選び、目を閉じて祈るように呟いた。「これで成功しますように…。」


ハルキ(6)


「どちらを選んでも、大した違いはない。」

そう呟きながらも、ハルキの指は"B"に向かっていた。


ショウ(7)


「……。」

ショウはボタンを見つめ、拳を握りしめた。「俺がBを選ぶ資格はない。」


結果発表


「課題結果: 失敗」


ホログラムスクリーンが輝き、無機質な声が冷たく告げる。


「失敗…だと?」

ユウスケ(4)が目を見開く。「俺たちは協力したはずだ!」


「誰かがBを選んだ。」

カズキ(5)は冷たい目で部屋を見回す。「それも1人じゃない。」


「…くそっ。」

ケンタ(10)は口をつぐみ、視線を逸らした。


無機質な声が続く。


「全員が記憶を1つ失う。」

「裏切り者は報酬として記憶を1つ回収する。」


動揺と疑念


サクラの不安

「どうして失敗しちゃったの?」

サクラ(2)は震える声で言った。「みんなで協力したはずなのに…。」


「全員が協力したなんて、誰も保証できない。」

レンジ(9)は冷静に言った。「誰かが嘘をついている。」


アキラの疑念

「裏切り者は、失敗を狙って動いた。」

アキラ(1)は拳を握りしめる。「次こそ、その正体を暴く。」


ケンタの揺さぶり

「なあ、裏切り者は本当に1人だけか?」

ケンタ(10)が不敵な笑みを浮かべた。「もしかしたら、全員が裏切り者なんじゃないか?」


「ふざけるな!」

ユウスケ(4)が鋭く睨みつける。「お前、自分の言動がどれだけ疑われるか分かっているのか?」


ケンタは肩をすくめ、口笛を吹いた。


モニタリングルーム


「計画通りだ。」

主催者は冷笑を浮かべる。「失敗が疑念を呼び、チームはさらに崩壊していく。」


「次の課題が楽しみだな。」


ホログラムスクリーンが静かに消灯し、部屋は再び静寂に包まれた。課題3の失敗による重苦しい空気は、参加者たちの間に深い溝を生んでいた。


無機質な声が冷たく響く。


「記憶の喪失および回収状況を表示します。」


スクリーンが再び輝き、各参加者の記憶状況が一覧となって表示される。


記憶の喪失状況

アキラ(1): 記憶喪失 1件

ミカ(3): 記憶喪失 1件

サクラ(2): 記憶喪失 1件

ケンタ(10): 記憶喪失 1件

レンジ(9): 記憶喪失 1件

カズキ(5): 記憶喪失 1件

アヤコ(11): 記憶喪失 1件

ユウスケ(4): 記憶喪失 1件

ハルキ(6): 記憶喪失 1件

アイリ(8): 記憶喪失 1件

ショウ(7): 記憶喪失 1件

裏切り者の記憶回収

???: 記憶回収 1件

スクリーンには「裏切り者」として特定の名前が表示されることはなく、疑念はさらに深まる。


揺れる参加者たち

1. アキラの葛藤

アキラ(1)は静かに頭を抱え込む。


「…また失ったのか。」

断片的ながら鮮明だった記憶の中から、何かが抜け落ちた感覚が彼を襲う。


ミカ(3)がそっと声をかける。「大丈夫?」

アキラは小さく頷くが、顔を上げようとはしなかった。


「協力したつもりでも、この有様だ。」

彼は低く呟く。「次はもっと慎重にならなければならない。」


2. ケンタの苛立ち

「ふざけんな!」

ケンタ(10)が椅子を蹴り飛ばし、激しい声を上げる。「誰だよ、Bを選んだやつ!」


冷静な目で見据えるカズキ(5)。「お前じゃないのか? お前が一番、自分を優先しそうだ。」


「はあ? 何の証拠があってそんなこと言ってんだ!」

ケンタは怒りを露わにし、カズキに詰め寄る。


3. サクラの不安

「みんな、やめてよ…。」

サクラ(2)は泣きそうな顔で二人を見つめる。「これ以上、誰かを疑ったら、もっと失敗しちゃうよ。」


レンジ(9)が低く言い放つ。「それでも、裏切り者を見つけなければ、次も同じだ。」


4. ショウの決意

ショウ(7)は壁にもたれかかり、一部始終を見ていた。


「…俺たちは全員、過去を背負っている。」

静かながらも力強い声で語る。「その過去を隠すために嘘をついている者がいる。次の課題では、俺がそいつを暴く。」


全員がショウの方を向く。


「お前に何ができる?」

冷たい声でカズキが問いかけた。


ショウは静かに視線を向ける。「次の課題で証明する。」


『モニタリングルーム』

巨大なスクリーンには、課題3を終えた後の参加者たちの様子が映し出されている。


「ショウが動き始めたな。」

「彼の決意がチームを救うのか、それともさらなる混乱を招くのか。」

「次の課題では、疑念が決定的なものになるだろう。」


主催者は冷笑を浮かべ、静かに手を振った。「次の試練を始めろ。」


新たな課題「課題4: 真実の取引」

部屋の静けさを切り裂くように、無機質な声が響く。


「これより課題4を開始する。」


参加者たちが一斉にスクリーンを見上げると、そこには次の課題が表示されていた。


課題4: 真実の取引

「全ての選択には、代償が伴う」


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