第32話 そういう機能と植物の生長

 そういう機能ってそういうことだよな!

 ほかの意味じゃないよな!!


 取るしかねえ。

 このスキルは取るしかねえ。


 だが、ポイントは50000。

 高い! とっても高い!!

 く~。足元を見やがって。

 しかし、人間になる50000000より、はるかに現実的な数字だ。

 頑張ったらなんとかなりそうな気もする。


 これは俺にとっての救いの手か?

 頑張ったご褒美的なやつか?

 

 ん~、ん~、ん~。

 いや、じつは罠だって可能性もある。

 50000使わせて人間になるのを遅らせる作戦なのだ。

 この50000を設備投資にまわせばもっと稼げる。

 それを阻止するためじゃないのか?

 

 だああああああ。

 つるはしを出したり引っ込めたりする。

 つぎはクワで無意味に地面を掘り返す。


 分かっている。ほんとはこんなもの取っている場合じゃないんだって。

 でも、あきらめられるのか? 俺はあきらめられるのか?


 あー、あー、ああああああ!!!!




――――――



「じゃあ、行ってきます」

「うん、気をつけて」


 ドロシーとソシラが街へと向かった。

 買い出しとダンジョンへ向かう冒険者の輸送のためだ。


 ひとまず、そういう機能については先送りにしよう。

 50000溜まった時また考えればいい。

 いまは、やるべきことに集中。とにかく酒場を繁盛させなくては。


 さっそくテーブル作りにとりかかる。

 つぎは冒険者を二組連れてくるとドロシーが言っていたからだ。

 急がないと。

 間に合わなければポイントを使うハメになる。

 こういうところで浪費しては50000は貯まらないのだ。


 ギコギコギコ

 トンテケトン。

 昨日ドロシーたちがクギを買ってきてくれたから、まえ作ったときよりスムーズだ。

 たぶん、仕上がりもいい。


 こんなもんでいいか。

 かなり不格好だが、丈夫なものができた。

 どうせ使うのはガサツな冒険者どもだ。


 家の中に運ぶ。

 ゾンビは力があるので、そこまで苦労はしない。

 それに、レミリアとファニーもいるしな。三人でやればあっという間だった。


 しかし、あれだな。

 違和感がハンパないな。

 だだっ広い部屋に、テーブルとイスが二セットポツンと置いてある。

 家には家具がついていなかったのだ。

 このあたりも、改善していかなきゃならないな。


 よし、次はどうする。

 できればベッドも作りたい。

 だが、人数分のベッドなど今日一日で作れるとは思えない。

 ポイントで出すことも考えなきゃいけないか。


 おっとその前に水まきだ。

 昨日まいた種に水をまいとかなきゃならない。

 乾燥すると発芽しないからな。


「あれ?」


 畑へ向かうと、なにやらおかしい。

 きのう耕したところに、小さい草が生えているのだ。

 え? まさか。


「もう発芽したのか!?」


 芽がでていた。昨日まいた種からもう。

 しかし、いくらなんでも早すぎないか?


 ふつう発芽に数日かかる。

 ニンジンは一週間だ。

 にもかかわらず、指ほどの長さにまで成長している。

 とくにトマトの成長(正しくは生長)がいちじるしい。

 ふたばどころか、本葉まで生えてきている。


 こりゃあ、もしかして、麦も育つかもな。

 スレイプニルが言っていたニョキニョキ生えるってこれのことか。

 スゲーな。これだと食材には困ることはないんじゃねえか?

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