主人公の境遇を見て、「絶対に報われて欲しい」と冒頭から強く願わされました。
ルミエールは「聖女」になるために教育を受け、最終的な「試験」を受けることになっていた。
しかしルミエールは平民出身であるために、貴族の令嬢であるベルリアーナたちから酷い嫌がらせを受けていた。
そんなルミエールだが、聖女として求められる『癒し(ヒール)』の力は本物。その力を認められれば聖女になることが決まるのだが……。
本作では物語を読み進めるに当たって、「大切なものとは」をいくつかの意味で考えさせられました。
ルミエールが聖女として癒しの力を使えていたのは一体なぜか。ベルリアーナがその力の秘密を知りたがるが、彼女が知ることになる答えとは。
そして、聖女試験に臨むことになるルミエール。彼女が本心から望んでいるのは一体何だったのか。彼女にとっての幸せとは。これからどう生きて行きたいか。
勝ち負けとか立身出世とか、それを望むだけが幸せではない。そして、それを望まないからこそ、「聖女」たりえる。
ルミエールの優しくて清廉な心。そんな彼女の人となりに触れ、彼女が発する「祈り」を知った後は、ひたすら「本当の幸せ」、「本当の心の美しさ」とは何かを考えさせられることになりました。
とても美しい作品を読ませていただきました。ヒロインの魅力。置かれているシチュエーション。そして根底に流れるテーマ性。どれもが強く心を揺さぶられ、物語に強く引きこまれることになりました。
読めば心が豊かになる。素晴らしい作品です。