2 綴りし“夢”の続き

“管理者”の彼はアナタにむかって微笑みかけた。

彼の目はアナタの全てを見通したかのように

優しそうで、それでいてどこか……

悲しみを秘めていた。


「お嬢さん、君は確かに

僕らと同一体とは言えない。

酷いことを言うかもしれないが

だからこそ、お嬢さん帰る場所も分からない。」


アナタはその言葉を聞いてショックを受けた。

『帰れない』と遠回しに言われたものだから。

現実は、残念なことに非常だった。


「……でも、ここいら一帯の空間なら

君を受け入れる場所にはなれる。」


“管理者”が言ったその言葉に、

アナタの脳は?だらけになった。

“灯火”はそれを聞いて、


「つまり、最善策は

名無しの彼女が気に入りつつ、

そこの空間にいる者が受け入れることで

その空間に住ませることだと、

“管理者”は考えているのですか?」


その考えを肯定する返事が

“管理者”から聞こえた。


「“夢”……“作り手”は

このことをどう考えているんですか!」


「“管理者”の僕が干渉したけど

“作り手”はイレギュラーみたいで完全俯瞰。

この状況を楽しんでみてる傍観者状態。

だから、僕らが何しようが

“作り手”はなにもしてこないと見た方がいい。」


その言葉を聞いて、

“灯火”はため息をつき落ち着いたようだった。




暫くして、アナタ達で

方向性をざっくり決めた後

学校的空間から元いた空間に戻ることにした。


「それじゃあ元気でね、お嬢さん。」


そう言ってくれた“管理人”に返事をして

背を向けて“灯火”と共に戻ろうとする。


その時、


「幸運を祈ってるよ、迷い子。」


と“管理人”でも“管理者”でもない声がして

咄嗟に振り返ると、

“管理人”が少し驚いた表情をしていたが

声の主はいなかった。


そして、帰りついた狭間的空間で

アナタは一息つくのであった。

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虚像の自分達へ 虚像さん @k_zyo3

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