第141話

ハイドside



ハイドおにいちゃんになるっ。



どきどきして、ワクワクするんだけど……。



ママのおからだのぐあいが……。



いつもおえっおえってして、ごはんもあまりたべなくなった。



きょうもソファーでねてる。



やちもしんぱいそうにママをみてる。




「「ママ……」」



「大丈夫よ、でもごめんね。遊んであげられなくて」



「いいんだよ、ねてて」



「やちとハイドはだいじょうぶ」



「ありがとう」




あたまをなでられる。



そうだっ。




「ハイド?」



「ママ」



「うん?」



「ハイド、ユッキーのところへいきたい」



「やちもっ、やちもっ」




きっと、ハイドとやちがいたらママやすめないから。



すこしでもっ




「ええ?雪代さん?」



「「うん!!」」




やさしくてつよいユッキーのところならママもあんしんしてやすめるとおもう。



ママがユッキーにでんわしてくれた。



ユッキーは「こっちはいつでも良いぞ」っていってくれたから、きょうとあしたはユッキーのところにおとまりになった!!



すぐにむかえにきてくれてユッキーとシゲさんといっしょにユッキーのいえへ。




「雪代さんの言うことをちゃんと聞くんだよ」



「「うん」」



「どこかへ行きたい時は必ず雪代さんかシゲさんに言うこと」



「「うん」」



「ありがとう、二人とも」




ママがハイドとやちをだきしめてくれる。




「「うん!!」」




ハイドとやちもママをだきしめる。




「ママ、がんばれっ」



「がんばれ」



「うん、頑張るよ」




そうして、ハイドとやちはユッキーのいえへ。



でもそのとちゅうで、おかしをかっていこうってなってまちへ。



そこで……




(〜〜……)



「「??」」




こえがきこえたの。



ちいさなちいさな、きえてしまいそうなこえ。



きえてしまってはたいへんだから、やちとふたりでてをつないではしりだす。



ユッキーにもシゲさんにもなにもいわずに……



ママとパパ、ユッキーにみんなはいつもハイドとやちをまもってくれる。



ハイドもみんなをまもれるぐらいつよくなりたい。



みんなをまもりたい。




「やちもっ」



「うん、いっしょにつよくなろ」




ふたりでーー。



やっとみつけたのは、ふりだしたあめのなかでちいさくうずくまってないてるおねえさんだった。




「「……どうしたの?おねえさん」」





ひとつひとつの出逢いは奇跡。



生まれる新たな物語。




双子’S[完]

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