念を押します。これはフィクションです。現実ではありません。そのはずです……
> 治験とは
>(中略)
> 「薬の候補」を健康な成人や患者に使用して、効果や安全性、治療法(適正な投与量や投与方法)などを確認する目的で行われる「臨床試験」のことを「治験」といいます。
> (後略)
国立成育医療研究センターの公式サイトより引用いたしました。
化学などを用いて新しい医薬品を開発しても、投与するまで副作用は判明しません。サリドマイド(詳しい話はおぞましく、ここには記せません)など、後で判明する薬も多数あります。それを少しでも減らそうと、あらかじめ同意した人に投与して結果を見るのが「治験」です。それでも先に記した薬の薬害を防げませんでしたが。
しかし、それは、被験者にとっては何の副作用が出るか分からない薬を自らの身体で試すこと。言わば「モルモット」になることを志願する行為です。
その手順を踏まずに多くの患者に投与することは人道上許されません。「安全に使用できる薬」は、勇気ある人たちによる献身に支えられています。
前置きが長くなりました。
社会に必要とは言え、何が起きても許容すると製薬会社に誓約するということは……(わざと駄洒落です)。
製薬会社に全てを委ねると何が起き得るか。その最悪の事態とは。
これ以上は語りません。短編です。お読みになればすぐに理解します。