第14話 魔法は便利

 最近魔獣が増えている。人間が増えたためそれを目的に集まっているのか、どこかで大きな巣の様なものでもできたのか?


 とりあえず数人で組み偵察を増やした。食料としては増える事は助かるが、多すぎると魔力抜く前に劣化してしまう危険性が有った。食べきれない分は魔法で冷蔵室みたいなものを作り、その中で保管した。

参加者には肉が配られたので人気の仕事となった。


 調べていくうちに中央王国とピースキーパー教国の中間あたりの方角からこちらに来ている魔獣が多いのでその辺りで戦闘か、魔獣の巣が見つかったのかもしれない。

現状は我が国は「食料が来たぞー!」と皆嬉しそうに討伐しているので大丈夫だが24時間働くわけにはいかない。まだ元気なうちにそれぞれの担当時間を決める事にする。


 大量の魔獣から大量の肉と魔石が取れた。魔石は電気で言うところの電池みたいに内部に魔力を蓄えられるそうだ。武器に使われそうなんでこちらで回収しておいた。


 サクラが近くに居たので「この魔石って何ができるの?」と聞いてみた。

「中に入ってる魔力を放出できる。例えば火の魔力が入っているならここから火を出すっていう小さい装置を作って魔石に付けたらその装置から火が出る。出したり止めたりも可能だ」

「例えばですが、この魔石に魔法攻撃をした場合は?」

「それは聞いたことないな。魔法攻撃で魔獣を倒す事が多いが魔石を破壊したと言う報告は聞いたことがない」

「後この世界に火薬とか石油は有りますか?」

「聞いたことないな。地面から燃える油が出てくると言うのは聞いたことあるが」

「それはそこら辺の話でしょうか?」

「多分だが旧勇者国辺りだったと思う」

石油は有りそうだが精製は出来ない。それでも手に入れれば色々試せる


 しかし現状動けない。人口が集中している所はまだ建物が不足しておりテント生活者も多い。そこに魔獣が侵入したら1頭でも大変な事になる。

とりあえずの策として近場の子供たちまで動員し堀と壁を急ぎ作り始めた。

気分的にも何もないより壁が有るだけで安心感が有るみたいで少し落ち着いてきた。


 それを見ていた太陽の光のメンバーが「こうなったらセート用の城作ろうか?」とか言い出し、その方が国って感じだなとかなぜか皆作る気になっている。

「あのどこにそのような余裕が?」

「なんかないの?魔法で岩と木を一つにして建物の素材として使うとか?」

「出来るかも」

砂と木を一つにして固めると・・・・・出来た。これ固い物で叩いてみて。


凄く頑丈な塊は出来たが形が歪だった。そこで板5枚で形を作りそこに硬そうな芯になるものと砂を入れて魔法で固める。これで全長2メートル幅50センチほどの四角い棒状のものが完成した。


 「一度耐久度が見たいな。誰か魔法攻撃してくれる?」人数指定していなかったので数発の火の玉が飛んできた。着弾したが、表面が焦げただけで問題なかった。

「これで壁作りたいが多分一日数本しか作れない。毎日少しずつ作っていこうか」

この日から壁作り、魔獣の魔力抜きと本人は気付いてないが長時間魔法を使えるようになっていた。


なんかまた魔法増えそうな予感が……。


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