第10話 4人でお出かけ

 ぬいぐるみは無事に渡せたがセリ姉妹から

「大きくなったらお兄ちゃんと結婚する」と言われた。


まあ子供の良くある発言だろう。断るのも可哀そうだなと

「10は少ないか……15年後も気持ちが変わってなければね」

「じゃあ15年?後にね」と喜んでいた。


その後何故かローズマリーさんから

「娘と結婚するんですか?あの……私もその……そうです責任者としてついていきます」

「いやあの断るのも悪いかと、15年後に気持ちが変わらなければと言う風に言ったのですが」

「私なら今すぐでも大丈夫ですよ。色々経験も有るのでお役に立てるかと」

「あ~、心配しなくても直ぐに仕事辞めてとか言いませんから安心してください」

「そうではなく、いや、それも有るのですが、私達を助けていただいた恩も返せていませんし、捨てる人もいればこうやって助けてくれる人もいて、そのように優しくされると好意というかですね。この人と共に歩んでいきたいと。年は少し離れていますが私では対象になりませんか?」

「そう言っていただけるのは嬉しいです。モモと結婚していますが何かまだ結婚した実感もないのに他の方からも結婚してほしいと言われています。自分勝手なのは分かりますがもう少し考える時間が欲しいのです。ですから現在はお受けできません」

「完全に嫌だとかではないのですね?」

「はい」

「では近くでこれからも観察いたします。変な事を言ってしまい申し訳ございません」

最後はなんか獲物を見付けた肉食獣のような目で見られた。俺食べられないよね?


 モモと分離できたので一緒にお出かけとかしたいなとモモに声をかけたのだが、何故かツバキ姉妹にも聞かれてた。

「今から出かけるなら、近くを一緒に探索しないか?綺麗な花が咲いている所見付けたし……って何で意外そうに見る」

「お姉ちゃん花とか結構好きなんですよ。私も大好きです。雰囲気のいい所に婚約者とお出かけっていいですね。4人で行きましょう」

「いいね久々にツバキ姉妹ともお出かけしたいな」

「皆がいいなら行こうか。昼ご飯は?」

「準備面倒だし現地調達で。それほど遠くも無しな」

まあ保存食は少量携帯してるし大丈夫かと出かけた。


 無事に目的地に着いたのだが、見たくないものが見えた為現実逃避したくなって「お花綺麗だね」って何も見てないことにしようとした。

「これ魔物の巣になりそうだな」見付けたツバキは楽しそうに言った。

「穴に魔物は住むのか?」

「異世界には魔物居なかったのか?魔物は地下から出てくる魔力を吸収しようと穴を掘って下に行く。で、少しずつ長い洞窟のようなものができる。そこに魔物が集まる。深くに行けばより魔力は濃くなり魔物は強くなっていくらしい。そこで数を増やしたりして俗に言うダンジョンと呼ばれるような物になるそうだ。中には輝くものが好きな魔物なんか居ると金貨とか宝石とか見付かることも有る」

「お姉ちゃんの補足をすると放置しておけば魔物が大量発生の危険があります。多分まだ小さい巣程度なので今出来るだけ数を減らすか、ギルドに相談して早めに討伐しないと危険です」

「私もセートの中に居たから最近偵察出来てなかったし。とりあえず何が居るか偵察だけでもしないとね」

とりあえずどのような敵がいるか分からずに攻撃するのも危険なので、見つからないように偵察する事となった。


普通のお出かけのつもりだったが。何でこうなる?


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