第7話 平和がいいです

 使者への返答はとりあえず「戦闘時の住民に異世界の勇者などいなかったが住人以外も戦闘に協力してくれた者も居る。再度攻撃が有る場合の協力も協力してくれるそうだ」と伝えてもらった。

おまけに個人の考えとして「近くに住んでる友好的な人たちが攻撃されてその後直ぐに仲良くしましょうと言われて仲良くできるかな?まずは環境の改善からでは?」と発言してもらった。


嘘は言えないと当初言われたが、

「嘘は言っていません。第一に俺は異世界人ですが勇者ではない。それに当時は追放されていたのでここに住んでませんよ」

「嘘ではないか。そうだな。とりあえず時間も欲しいからな」

と納得してもらった。


相手に対してはこちら側に勇者が居るかもしれないと思わす事で攻撃を出来なくする。もし再度攻撃が有れば最大級の攻撃をする事を自分の中で決めた。


 使者が出て行ってからその後数か月は何の反応もなかった。その間にこちらとしては再度の戦闘に備えて訓練していた。モモと一つになってから出来ることが増えたため、一人の戦力として認められた。

モモが居なくなってからパーティー内で皆落ち込んでいたが、俺の中で元気に生きてると言うと当初は


「そうだね君の心の中では元気に生きてるよね」って心配そうに言われたが、固有魔法の事を言うと安心してくれてはいたが「大けがしたモモと合体して一つになったんだね」と言われるのはなんか違う気がする。


 しかし1つになれたが分離方法が分からない。とりあえずモモの完治まではこの状態を維持する予定。危険な部位を優先して大量の魔力を使い治療したので、モモ自身が残りは急がなくていいと言っている。なんか俺の中は居心地がいいそうだ。最近モモの怪我以来元気がなかったサザンカやツバキも復活してきた。


サザンカは「異世界人のセートさんとモモ姉さんを私にも守る手伝いがしたい。結婚してと」


ツバキは「妹だけでは不安だし、この近くに男なんかいないし、まあセートも強いし嫌いではない。良かったら私たち姉妹と結婚という事でもいいぞ」


何かこの世界って結婚が軽くないですか?まずは交際からで……ではなく俺にはモモが居る。一応新婚?なのだし。まだ結婚式っぽい事はしてないが。


なので返事は「そう言って貰えるのは嬉しいが俺にはモモが」と言うと


「モモ姉さんにも聞いてみてください。この世界では男の人が少ないので複数女性と結婚するのが普通なのです。こ……子供とか生まれた後も協力して生活したりとか……」

何か自分でもよくわからなくなってきた。とりあえずモモにも聞いてみよう。


即答だった(「その方がいいね。仲のいい姉妹と3人でセートと結婚できるなら最高だよ」)

(「それでいいの?俺としては1人とでも付き合ったことないのに3人相手なんて」)

(「私とは付き合ってるって言ってたよね?」)

(「そうだけど、まだ訓練2人で狩猟しかしてなくない?」)

(「私は一緒なら何でも楽しかったけど……?」)

顔が熱くなってきた。急に顔を赤くした俺を見てサザンカは


「モモ姉さんは何と言ってますか?」と聞いてきた

「モモとしては3人は仲もいいし嬉しいと。でもなモモの復活もまだなのに他の人との事なんて俺は考えられないよ」

「ではモモ姉さんが復活したら私たち3人と結婚ですね」

「何でそうなる?考えてもいいと言うだけだ。こちらの世界ではそうするのが普通であるなら」

「私たち姉妹は嫌いですか?」

「極端だな、当然嫌いではないよ」

「好きか嫌いかで言うと?」

「その二つで言うなら好きだよ。色々この世界に来てから世話にもなったし」

「細かいことを考えても仕方ないだろ私も妹も好きなら結婚したらいい」

「姉の言う通りです。私たちと結婚しなかったら他の方達に求婚されるだけですよ」

「とりあえずモモの復活までは待ってくれ」


 それだけしか言えなかった。異世界に行ったら彼女ができるかなと期待してたが……。恋人らしいことする前に結婚って。普通に考えたら見た目は整った3人で普通ならお願いしますと言いたい。でも異世界人だからっていう理由も引っかかっている。男が少ないと言う事情も有るがそのような理由で選ばれた俺と結婚して不幸にならないのか?本当に俺個人を好きになって貰えるのか。経験値がないだけに不安だ。


確かに考えても結果は分からないのだろうね。


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