生きていたくなかった

親から抜け出して西に出た。

あれから4年、所持金¥2000から始まった僕の第2の人生。

本名を書く度に過去のことが脳裏にチラつくことだけが不愉快だった僕は【源氏名】が夜の世界へまた身を投げた。

最初はキャバクラ。スナック。

最後にはデリヘルへ戻ってしまった。

親から貰えなかった愛と金を求めて働いた。

それでも、必要書類に名前を書く度に親がチラつく。

不愉快と嫌悪感に苛まれ西で出会った人のつてで養子縁組をすることになった。

養子縁組をしたはいいが養父になった人からお金をせびられる。

また、金か。

僕は養父の連絡先を削除した。

西に出て半月。

帰ってきても知らないおじさんがいない家、自分の車を手に入れた。

ある日車を運転していたらパトカーに止められた。

車のテールランプが切れていた事を伝えられ免許証を確認され時だった。

養父がシャブで捕まったことを知った。

実の父親に続き養父までも犯罪者になった。

養父との関係も切っていることも警察に話したが、念の為の薬物検査、車内の確認がされた。

養父を紹介してくれた人も実は半グレで捕まったことを飲み屋で仲良くなった人から聞いた。

所属していた店も半グレ、ヤクザとの繋がりがあり、店落ちのお金を20%増やすか、援デリ（援交の業者版）をするかのどちらかを取れと言われた。

捕まりたくない一心で僕は県外に高飛びした。

今は怖い人との繋がりがない穏やかな暮らしをしている。

好きなことをしたい、幸せな未来のためにはやはりお金が必要だ。

キャリーケースと少しの荷物を引き連れて、僕は今日もどこかの県で性を売る。