第14話 最初で最後のケーキ
僕が斡旋生活を送っている中母が18歳の誕生日に家にケーキやシャンパンを持ってにこにこして訪ねてきた。
「これであんたも大人の仲間入りね」
そうやって笑う母に僕は何か裏があるんだろうと考えるくらいしか出来なかった僕は
「大人の仲間入りって何?次は何をしろって言うの?」
その言葉で母は不機嫌になるかと思いきや母はこう続けた。
「スナックをやめて中卒の18歳だと嘘をついて風俗で働いて来なさい。もう、話は通してる。明日からここに行きなさい。」
そう、また僕は売られたのだ。
母は飲み屋で知り合ったデリヘル店の店長にも僕を売ったのだ。
昼間は昼職をしながら高認のための勉強をしているから夜しか出勤が出来ないという体で僕は誕生日の翌日から『ナノ』という名前になった。
給料の3/4は母の元へ、残りは僕の手元にきた。
僕が初めて所属した店は最低な店だった。
ダミーの女の子がほんとに実在していると思わせるために所属している嬢に写メ日記を書かせたりしていた。
ダミーの女の子が指名で仕事が入れば在籍している女の子がダミーのプロフィール情報を覚えて仕事へ行く。
そんな詐欺まがいな店だった。
だからこそ、高校生の僕でも雇われることが可能だったのかもしれない。
小さい頃から大人の顔色を伺って生きてきた僕は入って1ヶ月も経たずにお店のナンバー1になった。
抜きだけではなくお金を貰って本番もした。
そうやって生活をしていた。
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