第28話
「うん……」
『真在子、素敵な夜をね!』
部屋から出て行く沙来の姿を目で追いかけながらも、頭の中は真っ白で何も考えられない。
ただ戸を閉めた音が、部屋にこだまする。
私は窓を閉め縁に腕を乗せ、その上に顔を傾ける様に置いた。
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