第21話

『私ね、見てて思ったのは二人とも“出逢うべくして出逢った”って…そう見えるんだ』




「そう?沙来にそう言ってもらえると嬉しい!」




『普通に考えたら、こんな短期間でそんなに思い合えるかなって……でも時間の長さじゃないんだね。


短くてもどれだけ思いをかけたかが大切なんだって思えるもん!二人見てたら』




部屋に着くと窓辺に寄り、吉原の景色を見つめる私と沙来。



此処に来て一月ほどなのに、慧悟さんと恋人同士なんて夢のような展開に誰が想像しただろう………





「沙来……もう四月に入るんだね。なんかあっという間だったなー」

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