2025年9月16日 12:40
第1話への応援コメント
勝手ながら拝読させていただきました。大変興味深く、面白く拝見しました。ここからは「どのように面白かったのか?」という、私なりの感想を述べさせていただきます。もっとも、素人が一丁前に批評めいたことを申し上げるのもいかがなものかと自分でも思っておりますので、不快に感じられましたらご容赦ください。本作品の手法は、物語の最後に明かされる“統合失調症”というワードからも推察できるように——ミステリーのタグがついていることからも示される通り——主にミステリー分野で用いられる「信頼できない語り」に基づいていると感じました。かいまさやさんの他の作品もいくつか拝読しましたが、豊富な語彙から紡ぎ出される世界は独特な様相を呈しており、抽象度の高いまま最後まで小説を走り切る力がどの作品にも宿っているように思います。その中でも特に本作品は、テーマと抽象度の高さがもっとも噛み合っており、魅力を最大限に発揮していると感じました。また、筒井康隆の短編集『世界はご冗談』の中に、痴呆老人の一人称で描かれた短編があるのですが、本作品と創作目的を共有しているようにも思われ、興味深く重ね合わせて読ませていただきました。長文、失礼いたしました。
作者からの返信
拙文をお読み下さり、ありがとうございます。物語にあてるテーマについては、私の方から具体に伝えるよりも、読者の皆様に想像を楽しんでいただく方が良いと考えています。しかし後半を駆け足で終わらせてしまう悪癖は治さねば、と感じております。連想してくださった筒井康隆氏の作品は「ペニスに命中」でしょうかね。確かに当作も似通った雰囲気を持っているやもしれません。信頼できない語り手、の信頼の所存について考えさせられる作品ですね。文学作品において世界の秩序は語り手の言葉に依存しているため、語り手の認知が常に信頼されうる情報となりますが、しかしそれらを信頼できる所以はどこにあるのでしょうか。丁寧な評文を下さり、誠に光栄です。
第1話への応援コメント
勝手ながら拝読させていただきました。
大変興味深く、面白く拝見しました。
ここからは「どのように面白かったのか?」という、私なりの感想を述べさせていただきます。もっとも、素人が一丁前に批評めいたことを申し上げるのもいかがなものかと自分でも思っておりますので、不快に感じられましたらご容赦ください。
本作品の手法は、物語の最後に明かされる“統合失調症”というワードからも推察できるように——ミステリーのタグがついていることからも示される通り——主にミステリー分野で用いられる「信頼できない語り」に基づいていると感じました。
かいまさやさんの他の作品もいくつか拝読しましたが、豊富な語彙から紡ぎ出される世界は独特な様相を呈しており、抽象度の高いまま最後まで小説を走り切る力がどの作品にも宿っているように思います。
その中でも特に本作品は、テーマと抽象度の高さがもっとも噛み合っており、魅力を最大限に発揮していると感じました。
また、筒井康隆の短編集『世界はご冗談』の中に、痴呆老人の一人称で描かれた短編があるのですが、本作品と創作目的を共有しているようにも思われ、興味深く重ね合わせて読ませていただきました。
長文、失礼いたしました。
作者からの返信
拙文をお読み下さり、ありがとうございます。
物語にあてるテーマについては、私の方から具体に伝えるよりも、読者の皆様に想像を楽しんでいただく方が良いと考えています。
しかし後半を駆け足で終わらせてしまう悪癖は治さねば、と感じております。
連想してくださった筒井康隆氏の作品は「ペニスに命中」でしょうかね。確かに当作も似通った雰囲気を持っているやもしれません。信頼できない語り手、の信頼の所存について考えさせられる作品ですね。文学作品において世界の秩序は語り手の言葉に依存しているため、語り手の認知が常に信頼されうる情報となりますが、しかしそれらを信頼できる所以はどこにあるのでしょうか。
丁寧な評文を下さり、誠に光栄です。