第2話 素質
自分のプレーを見てもらえる、ここで活躍すればプロから声がかかる。
しかしその試合は
そんなことは言い訳にしからならないこともよくわかっていた。だが、何としてもゴールが欲しかった。焦りと無理が、界登の冷静さを失わせ、プレーを狂わせた。それが怪我に
界登を救ってくれたのは周りの人たちだった。何より、その時試合を見に来ていたスカウトの
その廣澤と後日話す機会があった時、スカウトの仕事について聞いたことがある。その時、廣澤はこう言っていた。
「試合を見に行くのには、3つの目的があるんだ。
まずは、気になっている選手のチェック。これは、話題になっていたり、スカウトの間で
次に、自分たちのチームに欲しいと思っている人材を探すため。チームからは
そして3つ目が、
僕はいい選手がいたら試合だけじゃなくて練習なんかも見に行くようにしている。普段の練習への取り組みはどうだとか、他の選手とのコミュニケーションは、などなど、見るべきところは多いんだ。そして、実際に直接話をしてみる。そのときの
廣澤は日焼けした顔をにこりとさせて、界登に言った。
「そして界登くん、僕は君という原石を見つけたと思ってるんだよ」
その言葉を、界登は心にピン止めした。
「原石」
それは、界登の可能性を認めてくれていると同時に、まだプロとしては輝けないという
界登の良さを、廣澤はこう教えてくれた。
「ストライカーとしての
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます