本編

1 2024年1月5日公開↓

 2XXX年、この物語はそんな

遠い遠い未来の話である。ーー

 時空管理局、

そこは2,XXX年代に

未来の法務省が

警視庁に新設させた

秘密捜査機関である。

とある悪の

科学者が発明した

非合法のタイムマシン

に乗った

タイムジャッカー、航時法違反者

が過去を荒らし

歴史を塗り替えるのを

防ぐ為に独自の

捜査チームが編成となり

彼らを逮捕、収監するのが任務だ。

「工藤俊輔…彼は

元は愛知県警装備課職員

だったが、とある謎の

電子生命体の助力を

借り、刑事部捜査第1課

で数々の難事件を解決かぁ、

凄いなぁ、

この人。普通、得体の知れない

存在をそう簡単に信じないだろ。」

 そう言う彼は時空管理局

に新しく入局する

青年、佐川翔介(さがわしょうすけ)だった。

佐川は見た目こそ20代

前半のどこにでもいる

普通の青年だがそれは

未来の技術で若返りも

出来るため、実際の年齢は

不詳となっている。

「あの~、佐川翔介君ですか?」

 佐川にそう声を掛けるのは推定50代の

中年局員だった。

「はい、そうですが…」

「良かったぁ、いえ、私、

貴方の相棒を務める

氏家智司(うじいえさとし)

という者です。」

「氏家さん、お噂は

かねがね聞いています。」

「そうですか、いや、

お恥ずかしい限りです。」

 そんな謙遜しなくてもと佐川は思った。

「これから我々が

向かう時代って…」

「はい、江戸時代の幕末です。

そこにその時代を

改変しようとする

タイムジャッカーがいます。」

 氏家曰く佐川が

飛ぶ江戸時代、幕末は時系列

としては黒船が来航する

少し前の時代らしい。ーー

「この転送の機械が

タイムマシンなんですね。」

「はい、しかし往復で使える

回数は3回、それ以上使えば

我々の今の年齢以上に肉体年齢

は10歳衰える仕組みに

なっています。」

「分かりました、お願いします。」

 氏家は佐川のその言葉を受け、

タイムマシンのボタンを

押した。タイムマシンは

青白い閃光で佐川を包み

江戸時代、幕末へと移した。--

 佐川が目を覚ますとそこは東京、

ではなく江戸の市中だった。--

「あい光はないじゃ?」

 偶然にもその光を見たのは

後の西郷隆盛(さいごうたかもり)

と呼ばれる薩摩の快男児,

西郷吉之介

(さいごうきちのすけ)だった。ーー

1 【完】

ーーー※ーーー

2 2024年1月11日公開↓

 嘉永5年,1852年。

黒船来航の一年前。ーー

 一人の鹿児島から

江戸に旅行した青年がいる。

その名は西郷吉之介,

後の維新三傑と評される

西郷隆盛である。

 彼は幼少の頃にとある

事故に巻き込まれ剣を

握り、振れなくなって

しまったのだ。

 その代わりに並の男

なら得意の相撲で

鍛えた身体で軽々と

制する高い格闘センスの

持ち主だった。

「おいの妹(いも)っじょを

田舎もんと蔑んだんはわいか、コラ。」

 西郷は旅行できていた江戸

の道端で妹に絡んできた

チンピラ風情の男の

胸倉を掴み、物凄い怪力で持ち上げた。

「す、すいませんで、し、た。

言葉の…あやです…お許しを…

ぐ、うーん。」

 観念した男を見て西郷は

やっとその手を離した。

そして、男は一目散に逃げた。

妹は礼を言った。

「今度からはおいと

一緒にここを廻(まわ)っど。」

「うん、わかった。

あにょ(兄ちゃん)。」

 笑顔で西郷は

妹の頭を撫でた。

 すると山の向こう岸

から青白い光が見えた

のだった。

「あい光はないじゃ?

おう、ひとりで帰るっか?」

「うん、あにょ

お仕事きばりやんす。」

「おう、行ってくっど。」

 そのまま、西郷は

疾風の如く走り出した。--

2 【完】

ーーー※ーーー

3 2025年1月13日公開↓

 お菊は数週間前に

一人の南蛮な、面妖な

着物を着た長身の男に

一瞬で一目惚れした。

 吉原・遊郭に9歳から

見習いとして拾われ早7年の頃だった。

 入ったばっかりの頃と変わらずに

お菊は先輩女郎から汚い女子、

あちきらに菌をばらまかんでなんし。と

人を人とも思わない心無い言葉を

浴びせられる毎日にその人は

お菊に字を教え、やがて恋も、

そして愛も教えたのだった。--

「ねぇ、翔介様はお慕い申してる

女子はいりんすか?」

あって数時間のけったいな服装の

美男子にこんな質問ができるのは

中々のその道の目利きだなと佐川

は歳下?の少女にそう思った。

「えっ、いえ、僕は…

好きになっても間が悪いから

未だに独り身です。」

それを聞くとお菊は

笑顔で答えた。

「ホントでありんすか?じゃあ、

あちきは?お嫁さんにもらって

くれるでありんすか?」

この時、佐川は思った。

それは自分自身が歴史を勝手に

作り替えてしまうタイムジャッカーと

何ら変わらない時空犯罪者に

なるのではと…しかし、告白の答えは…

「じゃあ、お菊さんが二十歳

(はたち)になったら迎えに上がります。」

とまさかのOKだったのだった。

そうなると4年後になる。相棒の氏家の

説明ではタイムマシンの使用は限り

があり、一回目の今回を除けば

あと2回となっている。所謂これは

【魔法のランプ】方式の

タイムマシンなのである。

「じゃあ、はい。」

お菊は自分の右手の小指と佐川の

自分の右手の小指を重ね合わせた。

「♪指切りげんまん、嘘付いたら

針千本のーます…指切った。」

何とも古典的なお約束だ。

「その時はあちき、お胸、牛みたいに

大きくしときんす。さすれば…」

「いや、実は僕は、、、

そのソッチは未経験者で…」

それを聞いたお菊は佐川の手を

自分の胸に手の平で触らせた。

「どう…でありんすか?あたいの…

大きい乳でありんすか?///」

そう言われると佐川は

そっとお菊の唇に優しいキスをした。

「おっぱいは大きさ

じゃなくてですね,形です。」

するとお菊からは激しい接吻を

され,佐川はそれに素直に応じ、

江戸城下の更に下に建てられている

馬小屋で身体を裸同士で

重ね合わせた。それはまるで

盛りのついた獣の交わりの

1歩手前の絡みだった。

佐川はお菊の顔を見て思った。

『この娘(こ),オンナの貌(かお)

で俺を求めている。俺もこの娘の

気持ちに応えなければ!』

暫しの間,ふたりは

ただお互いの肢体で

コミュニケーションを

交わしていたのだった。ーー

行為の事後,佐川は

全裸のまま持ってきて

いた毛布をお菊に肩まで

掛けながら言った。

「覚えてますか?数刻前の

僕たちの出会い。」

「はい、はっきり覚えて

いるでありんす,翔介様♡///」

そう抱き合いながら

ふたりは数時間前に

初めて出会った頃に

心の時計の針を巻き戻しの

ように回想していた。ーー

3 【完】

ーーー※ーーー

4 2025年2月18日公開↓

 …数時間後の出来事。--

「わいは、何者じゃ?」

「僕は、先の世から来たものです。」

 ふたりは戦っていた、ひとりは

この世の礎を作った偉人、もうひとりは

この世にすら生まれていない未来の人間

である。そんなふたりがやってる戦い、

それは相撲。

「わいの名は?」

「僕は佐川翔介です。」

 またややこしい部分になったな。(笑)

4 【完】

ーーー※ーーー

5 2025年2月20日公開↓

 …佐川とお菊が出会った時刻。--

 佐川はその時間、タイムジャッカーが

潜伏しているであろう江戸城へどうやって

潜入を考えていた。

「黒船来航前の江戸はかなり厳重だったと

歴史資料室ではそう記されていたんですよね。

氏家さん。」

「えぇ、黒船が来航した時期ならば混乱に

乗じて捜し出すのに苦労はしない筈なんですが…」

 佐川と氏家はインカムで連絡を取り合って

いたがかなり苦心していた。

 江戸城下へ行って潜入の案を練っていると

とある揉め事に遭遇した

「返してくれでありんす、それはあちきの

宝物でありんす。」

「えい、女郎の分際でこのような

高価な簪(かんざし)をしおって、

盗んだのであろう、ひっ捕らえろ!」

「はっ、ぐふぅ。」

「女性一人にこの人数は感心しませんね。」

 佐川は英雄(ヒーロー)のごとき早業の剣技で

幕府方の役人3人を片付けた。虫の息の役人は

佐川を指差しながら聞いた。

「貴様、何者…」

「この婦人の連れですよ。

…ほら、あなたの簪ですよ。」

「ありがとうございます。あちきはお菊。

貴方様は?」

「僕は佐川です。ただの、無名の佐川。」

 お菊の心に淡い恋心が咲いた瞬間だった。--

5 【完】

ーーー※ーーー

6

 佐川がお菊という若い

花魁の女の子と会っている頃,

まだ何者でもない坂本龍馬

(さかもとりょうま)は土佐

【四国地方の一つ】で

剣術修行に明け暮れていた。

「あぁー、つまらんぜよ。

わしより強い者(も)んが

おらんのか⁉︎」

 するといかにもこの時代の

人間ではない者,タイムジャッカー

が村人を襲っていた。

「何じゃあ,おんしは。」

 そう聞く龍馬にタイムジャッカーは

嘲笑うかのような笑みを浮かべた。

「お前,坂本龍馬か…」

「うん、おんし、わしに気があるんか?」

「そんな訳ないだろうが!!」

 すると下段斬りしようとした

タイムジャッカーに龍馬はすぐそれを

躱し、正眼の構えからすぐに突きの

攻撃でタイムジャッカーを倒した。

「おんし、踏み込みが甘いのぉ…。」

 龍馬はクールにそう吐き捨てた。ーー

6 【完】

ーーー※ーーー

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