第13話「新たな旅立ち」―陰謀の代償―



朝もやの立ち込める山道を、一台の車が走っていた。


「本当に、あの場所で良いのですか?」


サクラの問いに、轟は静かに頷く。助手席では、地図を確認するカイト。後部座席では、クロウが目を閉じていた。


「環境変動が起きる前、私たちが研究を行っていた施設がある。そこに、全ての手がかりがある」


車窓の外には、ナノマシンの影響で枯れた森が続いていた。環境変動の爪痕を、如実に示すかのように。


「おい、後ろに車が」


クロウの声に、全員が緊張する。バックミラーに、黒い車両が映る。


「やはり、動き始めたか」


轟がハンドルを切る。カーブを曲がった先で、突如として現れた黒装束の男たち。


「降りろ!」


轟の号令で、全員が車から飛び出す。直後、車は爆発に包まれた。


「風霞陣!」


カイトの風の壁が、爆風から全員を守る。


「みんな、準備はいい?」


サクラの問いに、三人は頷く。結成されたばかりの「ネオブレード・ガーディアン」、最初の実戦だ。


「行くぞ!」


風と氷と炎が、朝もやの中で輝きを放つ。新たな戦いの幕開けだった。

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