第52話
黒い車体。
漂う風格。
忘れもしない、独特の唸り。
けたたましいまでの、律動。
あいつとは多分、
メーカーも車種も全然違う。
なのに思わず見入ってしまっていた。
ふと、オーナーらしい女が脇に立ってこちらを窺っているのが目に入る。
逆光に目を細めたまま立ち尽くしていると、
「ねぇ」
外産のでかい風体には似合わない、
若くて張りのある、高圧的な声。
流れるような腰までの美髪は、
目の覚めるような金色で。
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