埋もれた作品に光を当てたい

 それなりに投稿していくと、悲しいことに埋もれてしまう作品が出てくることは避けられないかもしれません。特にフォロワーの少ない初期の頃に書いた小説は、読者の目に触れる機会が少なく、PVが伸び悩むこともあります。


 そこで、本来意図したことではなかったのですが、私の経験を踏まえて方法を少しずるいですが、埋もれた作品を救う一つの手段を紹介しようと思います。


 それは――埋もれた作品の改訂版を書いて新しく投稿することです。


 うん、なんかこすい。

 言い訳します。私は別にスコップしてもらうためにやったわけではありません。書いた時にすごく自信のあった短編が二日経っても2PVだったので悲しくなって読み返しました。


 ――自分で読んでも分からないものですね


 祖母に読んでもらって感想を聞きました。すると、「初めから人が死んでいる話ってどうなん?」と言われました。――人は死んでない


 いやあ、目から鱗が落ちる思いでしたね。気軽に読め、最後に驚きを感じられる短編として仕上げるつもりで、あえて説明を削っていたのですが、そのせいで読了前に離脱されてしまったようです。

 ――600文字もないのに(泣)


 改めて書き直してみると、文字数が倍以上に膨れ、もはや別の作品のようになっていました。それなら、文字数の影響や改訂版の効果を検証しようと、新たに投稿してみることにしたのです。


 スコップされることを期待しなかったと断言はしませんが、そういう意図はなかったんです。最後に元の作品のURLを貼った時点で有罪な気がするけど……


《改訂版》『消えないで――愛する家族を守りたかった』 1381文字

https://kakuyomu.jp/works/16818093091045432957


《改訂前》『消えないで――小さかった私の冬の思い出』 568文字

https://kakuyomu.jp/works/16818093090926878992


 それがこの二つですね。まあ、結果としては元々、改訂前のPVが低かったのもありますが、倍になりましたね。

 以下の内容はネタバレを含みますので悪しからず。


 わかったことの一つは、読者は「短いから」という理由だけで読むわけではない、ということです。

 つまり、説明をかなり削ってまで短くしなくていいということです。――限度があるけど…… 


 改訂版では、冒頭を長くし、話の内容をわかりやすく整えました。また、題名やキャッチコピーも微調整しています。その結果、PVは改訂前をすでに超えています。


 ちなみに、以前のキャッチコピー「太陽がいじめる」は個人的にお気に入りだったのですが、思ったよりも読者には響かなかったのかもしれません。暖かさを連想させる「太陽」と「いじめる」という意外性を狙ったのですが……トホホ

 まあ、そのことは置いときます。


 この方法は、作家さんによってはプライドが許さない場合もあるでしょう。また、やりすぎると「どうせまた大して変わらないのに改訂版なんて……」と読者の信頼を失う可能性もあります。

 この点は十分ご注意ください。


 私自身も今になって「自分は大丈夫なのか?」と内心ヒヤヒヤしています。

 文字は倍になって、主人公と本当の家族との会話があるので「一緒やん」と幻滅されないことを祈るばかり。


 個人的には話の焦点を改訂前が「さーちゃん雪だるまとの別れ」に置いていて、改訂後が「新しい家族雪だるまを通じた主人公の感情的な成長」に焦点を当てているつもりです。


 だから、「同じじゃないんや」って言いたい


 最後に、この方法を試してみたい方へのアドバイスです。焦点をずらすだけでなく、対象年齢やジャンル、主人公の設定を思い切って変えてみるのも良いでしょう。これにより、新たな魅力が生まれる可能性があります。


 ちょっと後から気づいてびびっているリスクがありますが、自分なりに愛着のある作品に再びチャンスを与える意味でも、改訂版を試してみるのは一つの選択肢です。


 少しの勇気と工夫で、新たな読者との出会いが待っているかもしれません。


 


 

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