余白について最近気づいたこと

 以前、「余白が読みにくくて仕方がない」という話を書きました。


それ以来、自分の作品が同じような状態になっていないか不安になり、確認してみました。言っておきながら、自分ができていなかったら悲惨ですよね。


そして気づいたことがあります――


「自分はシリアスな場面を描かないと書けないのか?」


まあ、これは今さらなので流しておきます(笑)。悲しいことに、感情移入できるのがシリアスな場面なんです。そうじゃないと描けない――性格が悪いんでしょうか?


冗談はさておき、なるべく、読者に重く感じさせないように頑張りますが、今回の本題は「余白」についてです。


 興味のある小説をタップして開いたら、画面を覆う文字たち――あなたはどう感じますか?


 「問題ない」と思う人もいるかもしれません。ですが、私は正直きついと感じます。


 同じようにキツいと感じる方がいると思うんです。読んでいる時って大抵、隙間時間にそんなに身構えずに読むことが多いと思います。

 その時に場面を文字たちが覆っていると肩に力が入って休んだ気になりませんよね――私はそうなります


 なので、だいたい長くて私のスマホで7行くらい、パソコンで3行くらいが基準かなと私は感じています。これより長いと面食らうかなっていうのが自論です。


 それ以上が続くと、読むのが大変になってしまうかも。だからと言って7行が続くとそれはそれでキツい。


 しかし、会話文が余白を開けられているとなんだかぶつ切りに切られているように見えてテンポが悪いなって。

 これを書き終えたらテンポが良くないといけないところは余白を消していこうと思います。


「ハルト、お前また剣で狩りをする気か」


「そうするよ」


「弓の方が仕留めやすいっていうのにお前は」


「大物狙いなんですよ。今年こそ大物を仕留めてみせますよ」


「そう言ってお前去年も山菜を摘んできたじゃねえか」


 大袈裟ですが、こんな感じです。どうですか?とても会話が弾んでいるようには見えませんよね?――見えないと思いたい



 けど、作品を読んでて難しいと感じるんです。友達同士が仲良く話をするのに言葉はあまり途切れませんよね?――知らんけど


 まあ、そういうわけで会話文の場合は例外かなって感じるのですが、十数行も続くと流石に私は面食らってしんどいと感じてしまいます


 なのでどこかに、一旦息抜きできる場所を作っていただければと思います。


 それだけで、第一話を読んで撤退されるという悲しいことがなくなるかな?私みたいに重くしすぎて撤退されている場合もあるので一概には言えません。


 それでもどの創作論でも基本的に言われていると思いますが、余白大事。


 分かりにくいと感じた方は下の文を見てください。内容はまあ、私が今ウラで書いている拙作「悲劇の物語を希望に変える――前世で絶望した少年の贖罪」の一部です。

https://kakuyomu.jp/works/16818093086817666099


「ハルト、お前また剣で狩りをする気か」

「そうするよ」

「弓の方が仕留めやすいっていうのにお前は」

「大物狙いなんですよ。今年こそ大物を仕留めてみせますよ」

「そう言ってお前去年も山菜を摘んできたじゃねえか」


「言いますねえ、賭けますか」

「おお、いいねえ。何を賭ける」

「採れたての山菜でどうですか」

「採れたてって――お前、大物狙うんじゃなかったのかよ」


 どうでしょうか?こっちの方がスムーズに見えると思います。そして話題が変わる時に余白を入れると違和感をそこまで与えずにテンポを崩さないはず――ちょっと無理やり感があるのは否めない。


 それは各自、作者様方で工夫していただければと思います。


 まあ、この程度なら続けても良いと思いますが、ここではじゃあ、どこで一旦息抜きをする場所を入れるの?っていう質問の答えのつもりで開けました。




<最後に>


 ここまでは余白を開けろという話と例外について個人的な主観で書きました。


 余白は確かに大事ですが、そればかりに意識を向けすぎてテンポが悪くなるのは避けたいところです。これは私自身が経験した失敗でもあります。


 まあ今でも私は話のはじめは、とにかく続きまで読んでほしいと感じているのでとことん余白を開けていきます。


 つまり、物語の序盤では余白をしっかりとり、読者に負担をかけないことを心がけます。特に「続きが読もう!」と思わせる力が必要な場面では、余白があることで自然に進められることが多いです。


 一方で、内容そのものが読者を引き込めない場合は、余白だけで解決するのは難しいです。それでも、余白を調整するだけで読みやすくなるケースもあるので、一度自作を見直してみる価値はあると思います。


 もちろん、作品のクオリティーを最大限まで高めて書籍化を目指している人は余白には気を遣って、余白配置の美学を探求してみてください。


 そうでない場合でも、試しに余白を意識してみるのはいかがでしょうか?

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